- 作者: 戸田誠二
- 出版社/メーカー: 宙出版
- 発売日: 2006/07/11
- メディア: コミック
- クリック: 21回
- この商品を含むブログ (45件) を見る
扱われているテーマも興味深いのだけど、全ての作品で簡単に結論を出すことをしないで、なんというか余韻を残している感じが好きだ。表題作「説得ゲーム」も、予想した話とは全く違っていたし、読みはじめた時に期待する部分に回答はないのだけど、それが作者の誠実さでもあるような気がする。
書き下ろしの「クバード・シンドローム」は、男性が妊娠できる時代のお話。体の弱い妻にかわって妊娠する決意をする主人公の心理が興味深い。「ほんとうに子供が欲しいんだろうか、かわいいと思えるんだろうか」と逡巡する様子は、今の時代ではまだあり得ないことなのに、とてもリアルに感じられた。