AERA COMIC

ニッポンのマンガ (アエラムック―AERA COMIC)

ニッポンのマンガ (アエラムック―AERA COMIC)

「ニッポンのマンガ」と題した手塚治虫文化賞10周年記念誌。けっこうなボリュームなのでまだ読み切ってないんですが、どういう構成になってるのかよくわかんなくてちょっと読みづらい。
今回のお目当ては、まずなんといっても高野文子さんの「おりがみでツルを折ろう」。「黄色い本」の完成までに三年かかった、という話にもあるように、高野さんの漫画は、常に濃密なシンプルさと、柔らかさが同居していて、それはまるで、太陽の光でじっくりと時間をかけて発酵させたパン生地みたいなうれしさがあって、読んでいて落ち着くというか、すぐそこにある感じがするっていうか、なんかうまくいえないけど、そんなわけで明日は「るきさん」を読みながら通勤しようと思いました。

あと浦沢直樹さんの「月に向かって投げろ!」は、SF短編かショートショートかという雰囲気のお話で、面白かったです。ただ、どこかで読んだことがあるような話で「いい話」になっているのがむしろもったいないような気もする。あと、舞台設定と、主人公の生真面目さにちょっと違和感があったかな。ラスト「してやったり」みたいな顔だと、すごくアメリカっぽいんだけども、それだと浦沢さんぽくないか。

よしながふみさんと夏目房之介さん、長島有さんと萩尾望都さんによるコミックガイドもとても面白かったのですが、テレプシコーラについて、ネタばれというか、重要な場面について知ってしまい、ショックがでかい。あーあー知りたくなかった。
2006年のところは見なけりゃ良かった。