まだまだ足りない

それでも、たくさんの作品があるなかで、つい感情移入してしまうのは、何か欠けているところのある作品に多いような気がする。つい、と書くのは、基本的に感情移入する、ということにためらう気持ちがあるからで、またそれは作品の善し悪しや好悪とはまた別のところにある。
欠けているところがある、というのは別に不足だということではなく、その作品が何かを埋めようとするものであるという意味だ。もしくは欠落そのものが描かれているもの。
私は「足りない」という気持ちが好きだ。足りないところには、物語がある。向かうべき場所が、あるような気分になれる。
今日は風邪ひいて、一日中theピーズのライブDVD見てた。
そこにはいつも、たくさんの足りない気持ちがあって、それだから心強い、と思う。仰向けんなって降参しても、あっさり立ち上がれる図々しさを、まだまだ、もっと。欲しいと思って、背中がちょっとあったかくなる。