- アーティスト: トム・ヨーク
- 出版社/メーカー: ベガーズ・ジャパン
- 発売日: 2006/11/22
- メディア: CD
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「The Eraser」を聞いた時に(id:ichinics:20060706:p1)、私は『KID A』から『Amnesiac』へと続いた時期のアウトテイク集のような印象、と書いたけれど、このEPはさらに、そのアウトテイクのアウトテイク、のような印象だ。もしも、これがトム・ヨークの作品ではなく、そこにトムの声がないものだったとしたら、その印象は虚ろだっただろう。
「The Eraser」という作品は、RADIOHEADというバンドだから「できること」を浮き彫りにした。捕らえ所のない可能性にようなものの輪郭に触れるような作品だった。それはトム・ヨークがRADIOHEADそのものであり、しかしそれはトムだけでは動かない、ということでもある。
つまり、このEPが物足りない、というよりは、これが全てシングルカットにあわせて収録されたB面集であり、ここに未発表曲、もしくは新曲が収録されていない、ということに私は少しほっとしている。
私はトムの声がたまらなく好きで、彼の描く旋律を聞きたいと思っているけれど、それはRADIOHEADという場におけるものであってほしいと期待している。そして、それが感傷ではないということを、このEPで再確認したように思う。
早くニューアルバムが聞きたい。