ラーゼフォン 多元変奏曲

2002年に放送されたTVアニメーションラーゼフォン」を編集&シーン追加して制作された劇場版。
前々から見たいなと思ってたんだけど、これはちょっと、劇場版単品で見るのはきびしいかもしれない。場面の展開は急だし唐突すぎて不思議だし、何も説明されない登場人物が多すぎる。特に、この作品は「音」がテーマとなっていたはずなのに、劇場版だとそのへんが曖昧だったのは残念だった。久遠とかほとんど出てこない。久遠といえば、

樹「君がキスして彼女(久遠)の目を覚ますんだ!」
綾人「あなたがやればいいじゃないですか」
樹「やれるものならとっくにやってるさ!」

といって無理矢理キスさせる場面は(大意*1)あまりにも唐突で思わず笑ってしまった。本来ならぐっとくる場面なはずなのに、説明がないとおかしみがでてしまうのだなと思った。

いろんなところで言われているように、「ラーゼフォン」はエヴァに似ているところが多い作品です。でもそれはあのエヴァの設定が、既に定型になってしまったということなんだろうな。ただ、ほかにも「ほしのこえ」を思い出すような場面や、個人的に気に入った劇場版オリジナルのエンディングは「時をかける少女」をモチーフにしているのかなとか思ったり、いろいろと既視感を覚える場面の多い作品ではあります。が、そういうのが好きな人は楽しめる映画だと思いますし、私もこういう設定は大好物。でも、やっぱり劇場版単品で見るのは厳しいだろうな。
ただ朝比奈との日々、そして悲劇へのシークエンスは、すごいです。そしてそのインパクトが強すぎて、はるかが若干かすんでしまったような気すらする。

*1:台詞は記憶で書いてるので正確じゃない