「君に届け」/椎名軽穂

君に届け (1) (マーガレットコミックス (4061))

君に届け (1) (マーガレットコミックス (4061))

よく表紙見かけるけど、あんま縁ないかんじかなと思ってスルーしてたのですが、あちこちでみかける評判がのきなみ高く、買ってみたら……あやうく電車の中で泣きかけた。
ピュアホワイト!!!
「貞子」というあだ名で呼ばれる主人公、爽子は、内気だけど、読者の予想を裏切るほどのいい奴であり、いじられてるのかいじめられてるのか、紙一重の状況を、誰のせいにもしない。ごく自然にポジティブで、かといってポジティブすぎず、よごれたとこがない。むしろ自分の予想する展開が裏切られ続けることで、穿った自分を発見して情けなくなってしまうほどです。
しかし、そんな私も2巻を読み終えた頃には、貞子のピュアホワイトぶりや、周囲の風早、吉田、矢野、真田らの友情に泣いたりして、すっかりこのお話の展開を信頼してしまっていた。3巻では、ようやくライバルが出現し、あーこのまま新刊待つのはたえられないよ……なんておもってたのに、ラストは今までにあんま見たことないような切り返しで(3巻は)幕を閉じ、あっけにとられつつ、さすが、と思った。あきれるほどにピュアホワイト。そしてこの「そのまんま」なところが、かわいいんだろうなぁ。ちくしょう。
そして、そんな貞子(爽子)を応援したい自分の気持ちに、疑うところがないのが救いです。
君に届け (2) (マーガレットコミックス (4094))

君に届け (2) (マーガレットコミックス (4094))

キャラクターは違うけど、この裏表のないポジティブさは「時をかける少女」のマコトにも通じるとこがあるよなと思った。空気を読まない善人。