どうにかなる、というきぼう

志村貴子さんの「どうにかなる日々」2巻を読んだら、いてもたってもいられない気分になった。これこれ、こういう話が読みたかったんだずっと、って、ほっとする。うれしくなって、今日は1巻を読み直した。
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「どうにかなる日々」は、1話完結の読み切りシリーズ。エロティクスFに掲載されたものが中心ですが、1巻にはそうでないのも収録されています。違和感はない。1巻から2巻にかけて、ゆっくりと絵柄が変化してくのも面白いし、それと同時に、変化しない、穏やかさや性への好奇心や感情のすくい方が、とても好きだなと思う。
前に1巻を読んだ時には、エロティクスFの雰囲気も今とは違ったことから、なんかアンバランスな印象があったのだけど、2巻を読んでから振り返ると、やはりぐっとくるところがある。
でも中には、第3話(1巻)と第7話(2巻)のようにひとつづきになっているお話もあるので、読むのなら順をおって、が良いと思います。

そしてこの短編集には、同性のカップルが数組でてくるのだけど、中でも第9話にでてきたこの台詞にぐっときた。

そしたらあたし
あの子のことギュッと抱きしめてやるんだわ
頭もなでるわ

守る側とか守られる側とかでなくて、やさしくしたい、やさしくさせてほしい、と思うときの感じと、でももう傷付くの嫌なんですよ面倒なんですよいいところで終わらせて下さいよ、っていうあきらめとが、ほんと絶妙なバランスで描かれていて、ちょっと「犬猫」みたいだなと思う。
続く10話、11話、12話の、終わり方がぜんぶすばらしくてたまらない。
「どうにかなる」ならいいなと思う。そしてそれは、気付いたらなってるものなんだと思う。
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