前田弘二監督特集 − 女 −

映画館のチラシを見て、面白そうだなと思って見にいった。会場は満員、監督やキャストの舞台挨拶まであって、なんかすごい盛り上がりだなぁと思いつつ。「誰とでも寝る女」「古奈子は男選びが悪い」「女」の三本をみました。
たぶん、どれも上映会とかで1本見るには印象に残る作品だと思う。でも3本とも、定点カメラ長回しで、間の多い会話を捉え、場にいる人物間の温度差におかしみをかもし出す、という構成なのが、見ていてちょっと息苦しかった。監督の個性というよりは、制限を設けてるみたいに感じてしまった。なんというか、動かない画の中で、沈黙を描く間合いって難しいなと思う。
今日見た3本の中では、最新作の「誰とでも寝る女」が一番洗練されてたと思うんだけど、冒頭の長い会話がひっかかった。短編の作品で物語の筋とはあまり関係のない場面を入れるっていうのはちょっと違和感あるのかもしれない。「女」も良かったけど、ラストが不思議すぎた。「古奈子」は、「男選びが悪い」という語感の面白さに気をとられてしまった感じ。