100s/中村一義

100s

100s

久々に、中村一義が聞きたくなって、何枚かi-podに入れて聞いてたんだけど、金字塔からながしてきくと、「中村一義」名義のラストアルバムであるこの「100s」は、開けてるなぁと思う。ヘッドフォンで聞く音から、スピーカーで流す音になったような、そんな感じ。
宅録からバンド・サウンドへ移行する、その片鱗は「ERA」にもあるものの、やはりこの「100s」が到達点だろう。歌詞のポジティブさとかね、まぶしい。
大好きなアルバムではあるんだけど、ERAからこのアルバムに移行するときには、少し身構えてしまう。
例えば。音楽を聞く人の気持ちっていうのは、「金字塔」から「100s」の間を揺れ動いているようなものだと思う。そして「100s」のイメージというのは、わりと特別な瞬間のもののように感じる。まぶしくて、憧れるんだけど、初めて中村一義を聞いたときの、あの感情と音がじかにつながっていることの驚き、みたいなものは、もう感じられない。ここにあるのは、もっと普遍的な物語だ。だからこのアルバムは、終わり*1でもあり始まり*2でもあるんだと思う。

*1:中村一義名義の

*2:100s