若返った。

本を読みにドトールに入ったら、向かいの席にセーラー服の人が座っていた。長い髪はわりとキューティクルで、ファッションブランドのビニール袋やら豪快にキーホルダーをつけた鞄やら、ディテールは女子高生そのものだったのだけど、おもむろにプカーとたばこを吸いだしたのに驚いて顔を見ると、それはセーラー服をきた、おばさんだった。ならば(とりあえず)よし、と思って本に集中して小一時間、人の気配に再び顔をあげると、向かいの席はいつのまにかからになっていて、今まさに新たなセーラー服がその席につこうとしていた。彼女の周囲で、複数人の視線が交錯した。