あかずのふみきり/かわかみじゅんこ

あかずのふみきり (ボーイズラブコレクション)

あかずのふみきり (ボーイズラブコレクション)

かわかみじゅんこさんの絵がすきです。お話のテンポは独特で、クセがあるのだけどそこもすきです。ものがたりの中に、焦燥感があって、あこがれがあって、ままならない気持ちをもてあまして、て、気持ちの糸がふっと手放されるような瞬間があるのがすきです。
この本は、かわかみさんのBLも含めた単行本未収録作品を集めた本で、でもあんまBLて感じはしないんですけど、ともかく昔のから今に近い作品まで、幅広く読める。
さいきん、女の子になりたい男の子、もしくはその逆について気にしてたのだけど、この本と「ネオンテトラ」にも収録されてた*1「息もふれあうくらいにね!!」を久しぶりに読み返したら、たか子とレイコの関係は、きっと理想の友情だよなと思った。たか子は、女の子な男の子なんだけど、「…たか子おヨメに行けなかったら レイちゃんのおムコになったげる」ていう台詞みて、ああこんな風になぐさめることができるのは、異性だからで、でも同時に同性でもあることでそれは永遠に見える(ではないとしても)。それはすごく身勝手な欲求なんだけど、その距離感てのは得難いもので、だからこそ理想に見えるんだな、ということを感じました。「放浪息子」の、ニトリくんと高槻くんは、どうなるんだろうな。

*1:だぶって収録されてるのはどういうことなんだろう…