Release The Stars/Rufus Wainwright

Release the Stars

Release the Stars

ルーファス・ウェインライトの5枚めとなるニューアルバム。セルフ・プロデュースですが、エクゼクティブ・プロデューサーとしてPSBのNeil Tennantも名を連ねています。
『WANT』二部作が絢爛さと退廃を臭わせるクラッシックな雰囲気だったのに対し、今回はシンプルながら力強いルーファスの音楽になっていて、それでもペルシャ絨毯かビロードかという差であり、このしっとりとした上品さがやはりルーファスなのだなと思う。オーケストラぽいものからほぼピアノだけだったりバンドだったり、演奏自体はかなりバラエティに富んでいるのだけど、彼の声がのるだけで、空気がかわる。なつかしい、粒子のあらい、けれどきらびやかなテレビを見つめているような気持ちになる。
それは例えば、はじめて「オズの魔法使い」を見たときの気持ちでもあって、CDにはさまっていたルーファスがジュディ・ガーランドを歌ったというイベントの、CD&DVD発売のお知らせを見て、ああこれ見なきゃ、と思う。