- 作者: 古谷実
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/07/06
- メディア: コミック
- 購入: 2人 クリック: 21回
- この商品を含むブログ (91件) を見る
逃げ場を潰してく“もぐら叩き”のような自己ツッコミが、ここにきてようやく、手を結んだように思える。絶望に至る寸前、ほんともうちょっとのことで、フラグが立ち、それを選ぶことができた幸福。確かにバッドエンドまっしぐらは、今も終わってないのかもしれないけれど、日常というのが一続きではなく、いくつもの輪を渡っていく作業であるかのような、救いがある。や、まだ救ってねーよ? といわれるかもしれないけど。
この「わにとかげぎす」は、シガテラにおける南雲さんのような存在である羽田さんの視点から描かれる場面がとても多い。だからこそ彼女が都合のよい「天使」なんかじゃないことがわかるし*1、彼女には彼女の世界があって、克服しなければならないものごともあるのも見える。だからこそ、彼らが手をつないだことがうれしく思えるし、それはとても、心強い奇跡みたいなものだなと、思った。
→
ちなみにラスト寸前で描かれる場面が「ゾディアック」のある場面にとてもよく似ていて、ちょうど裏返しのような状態になったのが、シンクロニシティ、とか思いました。
関連
「ヒミズとシガテラ」 → http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20050917/p1
「グリーンヒル」 → http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20060723/p2
*1:南雲さんがそうだというわけではないです