野矢茂樹さんがTVにでていた

かえってきてごはん食べながらTVつけたら、爆笑問題の番組に野矢茂樹さんがでていた。途中から見たので、どういった番組なのかよくわからなかったけれど、初めてみた動く野矢先生はすごく面白そうな、教わりたいと思うような、先生でした。爆笑問題のふたりから発される言葉に、丁寧に考えを返す様子をみていると、言葉が表面でなく、立体でやりとりされているように感じられてうらやましくなった。
特に、「奇跡みたいな瞬間に一致する、たとえばお祭りみたいな、その一致はうれしいけれど、一致するのが当たり前だったらうれしくない」というようなことを話しているのが印象にのこる。その、すこしズレたところにあるもの。
番組のテーマは、どうやら「心ってなにか」という質問だったみたいだけど、結論はないだろう。難しい。そもそもそれは、あるのか、ないのか、という段階から、それはやはり哲学の基本となる命題なのだろう。心を「拡散させる」ために座禅をくむ、というのも面白かったな。
そして番組最後に「語りきれぬものは、語り続けなければならない」という言葉がでてきたので驚いた。これは「語り得ぬものについては沈黙せねばならぬ」というヴィトゲンシュタインの言葉への反論にも見えるけれど、そのじつ「反対」ではなく同じことをいっているのだろう。この捉え方の良心が、やはり野矢茂樹さんの誠実さにも感じる。

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「哲学の謎」感想 → http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20051202