- 作者: いくえみ綾
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/07/15
- メディア: 文庫
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文庫版1巻の巻末に収録されているインタビューで、多彩なキャラクターを描くコツは?という質問にたいして「自分の好きな人も、嫌いな人も、興味ない人もとりあえず描く」と返しているのを読んで、ああ、プロだ、とか思う。
ぜんたいを覆う雰囲気は、決してバラ色ではなくて、白のなかに、ほんのり赤みのさすような、そんなイメージ。
自分の感情をそこに当てはめて気持ちの逃げ場になるよーなお話は少ない。のは、たぶん思いがかなって、幸せ、というお話があんまりないからで、でもたとえば友達でいられることを喜ぶような、恋人でなくても大切であるような、そんな関係っていうものこそが、物語なのかもしれないなと思う。現実のがずっと白黒ついていて、あいまいなままでいられなかったり、しないかなどうかな。