カボチャの冒険/五十嵐大介

「リトル・フォレスト」の舞台裏のような、五十嵐さんと飼い猫カボチャの暮らしを描いた作品。
目次の見開きカラーページに描かれている地図とか、昔読んだ冒険もののようで楽しい。(でも、できることなら、カラーページは全部カラーでみたかったなぁ。ちょっと高くてもいいから…)

カボチャの冒険 (バンブー・コミックス)

カボチャの冒険 (バンブー・コミックス)

とにかくカボチャがかわいい。こんなポーズ、あんなしぐさ、ああうちの猫もしてるって、おもわず笑ったりしながら、このいきいきとした線の魅力は、五十嵐さんの特別だなと思う。カボチャも、その風景も、すぐそばまでせまってにおいたつようで。とても好きな一冊になりました。
自然のあるとこで暮らしたい、とか、食べることのために直接的に体を動かしたいという欲求を、この便利な暮らしの中で口に出すことと、それを実際にはできないだろう自分に恥ずかしさを感じながら、それでも憧れてしまうところはあって、それはなんでなんだろうなぁと考えてみると、こんなふうに、ちゃんと見たいということなのだと思う。何を、と聞かれてもうまく答えられないんだけど。
あのはじめての春のカボチャの目が、うらやましくてしかたない。