カズン1〜3巻/いくえみ綾

いくえみさんを読んでみよう、と思っていて、今回手にとったのは「カズン」。
ビデオレンタル屋で働く主人公ぼんちゃんが「小学校以来まともに男の子としゃべったことない、これってやばい?」と、自問するところからお話がはじまる。
ぼんちゃんは、ちょっと太めなんだけど、恋をきっかけにがんばってダイエットしてお化粧はじめたりしてって、その過程にはとても好感がもてるし、ファンタジー*1込みで、でもリアリティがある。
とくに、ぼんちゃんが最初に好きになるのが、茄子川さんという年上の男性であるところには、なんかもう、ものすごく共感してしまった。そうそう、こういう誰にでも優しい人、ていうのはけして悪人じゃなくて、やはり魅力的なんだよなぁ。でも難しいよね。ということを先日ちょっと思い出したりしてたのはこの茄子川さんの造形がとてもよくできてたからで、そのあたりのリアリティのさじ加減というのが、とてもうまい作家さんだなと思う。
けど、3巻までよむと、こうだいたいのハッピーエンドの構図が見えてきてしまって、少しさみしいような気もしました。
ぼんちゃんの鈍感は、「君に届け」の爽子のそれとは違う。だからこそ、シロとの関係を描くのはここから難しくなるだろうなと、思ったりした。

カズン 1 (Feelコミックス)

カズン 1 (Feelコミックス)

カズン 2 (Feelコミックス)

カズン 2 (Feelコミックス)

カズン 3 (Feelコミックス)

カズン 3 (Feelコミックス)

*1:いとこが芸能人で、素材はいいってことがほのめかされているわけで…