「笑えない理由」/望月花梨

望月花梨さん再読週間続いてます。

笑えない理由 (4) (花とゆめCOMICS)

笑えない理由 (4) (花とゆめCOMICS)

笑った顔がとてもかわいいといわれていた女の子(かな子)が、意地っ張りな男の子(秋庭)に「ブサイク」と言われたことで笑えなくなってしまう。そんな二人が再会するところからはじまるお話です。
よく考えたら「君に届け」の爽子ってだいぶ「笑えない理由」のかな子ににてるなーとか思いながら読んで、やっぱりふたりとも、コンプレックスが卑屈に見えないのがいいとこだよなあと思った。でも私が「笑えない理由」を読んでいていちばん好きなのは、やっぱり秋庭君の描かれ方だなと思う。かな子がかわいいから、秋庭君の気持ちがよくわかるし、秋庭君がすごくいいやつだから、彼を好きになる麗子の気持ちも切ない。
だんだんと、かな子が笑うのが、うれしい、そんな気持ちになれる漫画だった。誰かにいわれた一言が、コンプレックスになるってことはあるよなと思う。それがこんなふうに解消されるのなら、幸せなことだろうな。
それから3巻に収録されていた短編「傷あと」がとてもよかった。
「本当のことって どうやって言ったらいいんだ?」
と自問する主人公佐保の、四つの傷をめぐるお話。肝心なときに何も言えなくて歯がゆい、あののどの奥が苦しくなるような感じを思い出す。
笑えない理由 (1) (花とゆめCOMICS)

笑えない理由 (1) (花とゆめCOMICS)