泡日/高浜寛

泡日

泡日

最近「凪渡り」(id:ichinics:20060620:p1)を読み返したついでにこれも、と再読してみた。まーとにかくびっくりしたのは、高浜さん女の人だったのかーってことで、でもまあそういわれてみても特に印象はかわらないのだけど、著者近影もあるのに気付かなかった自分に、びっくりした。あと、いまさらだけど、このひとの画面の雰囲気は、少し福山庸治さんのものと似ているかもしれない。なんてことも思う。
ともかく。
短編集としては「凪渡り」のが好きだけど、この本に収録されている「FUNNYFACE'S FAMILY」が好きで、でもこのラスト2ページの意味は、今回再読してやっとわかった。ある小学生の別れを描いたこの話では、「奇面組」の連載終了をモチーフにしているというところが、世代を限定するとはいえ、読む側の記憶とつながる感じがして面白い。その点では9.11をモチーフにした「我らの世代が生きのびる道を教えよ!」は、その瞬間の描き方が印象的だっただけにその後があいまいに感じられて残念だった。けれどそうとしか描けないことだったのだとも思う。
思い出すのは個人的なことばかりだ。