- 「透明ポーラーベア」/伊坂幸太郎
- 「人間の土地」が引用/参考文献にあげられていることから、なんとなく「砂漠」と同時期書かれたものなんじゃないか、と思う。伊坂さんは長編のが好きだけど、短編を読んでも、その前後の広がりを想像できるところが好きだ。
- 魔法のボタン/石田衣良
- 石田衣良さんは、以前好きでよく読んでたんだけど、「14」までかな。以後なぜかぱったり遠ざかってしまっていた。まずね、「きみ」に語りかけ口調ってのがどうもむずがゆくて、しかも、主人公の視線がどうも、彼女の服装とかばっかり描写してて、なーって思ってたんだけど、いい話だと思います。でもやっぱ石田衣良さんはジュブナイルのが読んでてしっくりくるなあ。
- 卒業写真/市川拓司
- この人の文章ははじめて読んだ。男の人の描く女性視点の物語で、違和感を感じるのはこういうときだ、と思う。
- 「百瀬、こっちを向いて」/中田永一
- すごくよかったです。この1編だけでもこれ買った甲斐があった。特にこの、時間軸を行き来する構成が、うまいなあ。ライトノベルっぽい設定ではあるんだけど、キャラクターがたっているので違和感なく読めるし、とくに百瀬という女の子が魅力的に描かれていることに説得力があると思いました。タイトルもぐっとくる。
- 「突き抜けろ」/中村航
- 初めて読んだ作家さんです。語り口は面白かった。けど木戸さんの話と彼女の話がばらばらに感じられたのが残念。もうちょっとあの二人のリズムが崩れるとこを読みたかったなあ。
- 「Sideway Talk」/本多孝好
- この人も読んだのは初めてです。文章は心地いい。舞台が海外だったりしたら、たとえば飛行機の座席にそなえつけてある冊子に掲載されていそうなお話でした。
「I LOVE YOU」
恋愛アンソロジー本。以前ついったで、これに収録されている「百瀬、こっちを向いて」という話がいい、と聞いて探してたんだけど見つからないなーと思ってたら文庫がでてたので買って読みました。