うちに住み着いていた蜘蛛が、とうとう死んでしまった。もうずいぶん長いこと、つかず離れずのほどよい距離感で暮らしてきたので、私も妹も、とても残念に思った。しかし私たちは、とくに蜘蛛がすきというわけではなく、むしろ苦手だった。ただ、その蜘蛛が、あの蜘蛛として認識できていたから、特別に思っていたのだと思う。そして一匹を特別に思ってしまえば、その他の蜘蛛たちへの心持ちも、ずいぶんかわってくるものだ。
- 作者: 秋山亜由子
- 出版社/メーカー: 青林工芸舎
- 発売日: 2002/05
- メディア: コミック
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そう思わせてくれる細やかな描写が、それはつまり作者の虫への興味と好意ゆえのもので、読んでいてとても気もちがよかったです。
最後のお話「雪迎え」が、ちょうど蜘蛛のお話で、「ふふ」なんて蜘蛛と笑いあっているおじいさんがとてもかわいらしく、わたしもこのような老後を迎えたいものだなと、思ったりしました。
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この日考えてたこととにたような気分だ → id:ichinics:20070705:p2