- 作者: よしながふみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/11/22
- メディア: コミック
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主人公は弁護士の筧史朗。彼は、恋人の美容師、矢吹賢二と二人暮しをしていて、節制した生活のなかで、うまい料理をつくることにこだわっている。その料理場面が物語のメインになっていて、読んでいると、つい作ってみたくなるというか、頭のなかでシミュレーションするのが楽しい漫画なのだけど、伏流がほぼゲイとしての世界観みたいなもので埋め尽くされているのには、なんだかちょっと違和感があった。
それをいっちゃあおしまい、なのかもしれないけれど、主人公が感じている、社会とのずれみたいなものとか、覚悟みたいなものを、そこをメインに描く物語としてではなく、このような日常雑記の中に織りまぜられると、作者の描きたいことが何なのかわかんなくなる。というか、これってたぶん作者にとっての切実ではないよな…、とか、思ってしまったりした。少なくとも「愛すべき娘たち」で描かれた葛藤には、作者にとっての切実さみたいなものを感じたんだけど。
きっとこの連載のメインテーマは、1巻の最後にでてくる、「料理作ってるときって無心になれる」ということなんだと思います。でもそこに、主人公がゲイのカップルであるという設定をもってきたのは、なんでなんだとか、考えるのはうがった見方なのかなあ。んー。
続刊でその辺すっきりするといいな。