いつになったら

目が覚めたら今日もまた、ちゃんと続いてるのかなって、ぼんやり考えてる。布団の中で何度も寝返りをうち、携帯みてみたり、今このまま眠れたらずいぶん幸せなんだけどな、とかぐずぐずしてるうちにまたウトウトしそうになったり、それでもどうにか布団から這い出て、ストーブをつける。それにしても、いつになったらこのさむいは終わるのか。そろそろ冬には飽きました。いや、もちろん冬にもいいとこはある。あるけどもわたしには、あんまりむいてないみたい。さむいし。
さむいから、赤や黄色が見たいなと思う。電車に乗りたい。電車乗って、
どこか、と思って目が覚めるとまだ目的の駅にはついていない。立ったまま眠ってしまうので、電車が急ブレーキかけたときなんかに、後ろ向きに倒れそうになるが、今、倒れたのは私でなく隣にいた小学生の男の子で、大きなランドセルに引っ張られ、しりもちをついたみたいだった。まわりの人から口々に、ほら、つかまんなさい、いいから、ちゃんとつかまってなさい、と声がする。男の子はまだ驚いた顔してる。頬が赤い。ねぼけながら、ほら、ここ、と手放した手すりに重なる、小さな手が少し嬉しい。おかげで目が覚める。
午前中は会議で潰れたけど、今日の午後は結構がんばったんじゃないの、と思えるのはやることリストがさくさく消えてったからってだけかも、数こなしただけで実際はあまりはかどってないかも、とか思いつつ、でも久しぶりに定時であがって映画を見に行く。
柔らかな座席に埋もれる。シネセゾン、そういえば改装してたなと気づいたのは後からで、冒頭の青っぽい明け方から、映画に沈み込むような気がしていた。それはいくつかの見知った場所が出てきたからとか、自分の通っていた大学の雰囲気に似ているからとか、そういう具体的なことだけでなく、
映画館をでると夜だった。2階の窓に向かってみるめを呼ぶえんちゃんが、好きだなと思う。大きな声で呼ぶかわりに、早足になる。早く、早く。春こい。