いつかの私

気がむくとたまに、去年の今日とか一昨年の今日とかの日記を読んでみたりする。そこからたどっていくうちに、ふと、日々の流れみたいなものを遠くから想像してることに気付く。ちょっと前までは、日記に書いたことほとんど覚えてるつもりだったのに、だんだんと、すこしづつ溶けてってるような気がする。
むかしから、未来というものを想像すると、崩れてく崖を逆に再生するようなイメージが浮かんでいたのだけど、そのとき残される地面みたいに過去は確かなものじゃなくて、後戻りはやっぱりできないものなんだなとか、思う。踏み出す一歩と、置いていくことは同時にあって、でも過ぎても、確かに今の私にも混じりあっている。
例えば、「好きなことや好きなものややりたいことやほしいもの、そういうのってガソリンみたいなものだなぁってのはよく思う。それがあるから、もうちょっと先まで、行ってみようかなと思える。そんな感じ。」*1と、いつかの私が書いているのを見つける。私はこのときの私の気持ちをよく覚えているけれど、今ならこう書かないだろうなとも思う。ちょうど裏返しみたいだ、と思うけど、でもそれはどちらが正しいとかそういう話じゃなくて、
なにに、手をのばせばいいのかよくわからなくて、浮かんでしまいそうだったあの気持ちを思い出しながら、
祈るような気持ちで、口を開いてはみるけど言葉が追い付かない。ただ、
できるだけ手をのばしていたいと思う。先へ、届いてますように。

*1:id:ichinics:20060409:p2