Sigur Ros@国際フォーラム10月26日

はじめて Sigur Ros の名前を知ったのは、第1回 SUMMER SONIC の出演者リストでだった。その頃まだアルバムすら届いておらず、アイスランドのバンドらしいよとか、ビョークの前座をやったらしいよとか、そんな噂がちらほら入ってくるくらいだったと思う。
そしてその瞬間、私は富士急ハイランドの園内のステージの外で、ビール飲みながら休憩していたのだった。「なんか、はじまった」「いまここ何やってんだっけ」「Sigur Ros?」そして小さな箱から響いてくる音につられて、扉をあけた。

Sigur Ros のライブを見るのはそれ以来だった。新譜がでるたびにアルバムを聴いてはいたのに、なぜこれまでライブに行く気にならなかったのか、今考えるとよくわからない。たぶん、それはどちらかというと個人的な音楽に感じられたからだと思う。だから今回も、たまたまチケットを譲ってもらえることになって、それじゃあと思って行くことになったのだけど。
1人で1階席の奥でじっと聴いた Sigur Ros のライブは、すばらしかった。
まぶたの裏をよぎる光のような音があふれ、跳ねて、手を伸ばす。それはどこか遠くとここをつなぐような音で、音は、とても近かった。
とても気持ちが良くて、いつまでもここに座っていたいと思った。
アンコール1曲目は「Svefn-g-englar」。富士急ハイランドであの日、扉をあけたときに演奏されていたのは、そういえばこの曲だった。