- 作者: 浅野いにお
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/01/30
- メディア: コミック
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信用できない、という言葉をあえて使うのは、それがこの漫画の勢いでもあるように感じられるからだ。この4巻では特に、登場人物の心の動き、葛藤や絶望を、俯瞰する作者の視線が見えるような気がする。それは物語をコントロールする視線という意味ではなくて、ここに描かれてるみんな、幸せにはしてくれないんだろうな、たとえ幸せが描かれたとしても、それを作者は信じてないんじゃないかな、という感触がある。特に雄一の拘泥は、そのまんまプンプンの絶望を演出するために使われているような気がして、読んでていたたまれない。
ただ、神様にすら見放されてしまったプンプンの絶望だけが物語全体に生きているように感じられるのも確かで、この外側の「信用ならなさ」をあえて描いているなら、と思うと、続きがこわいけど、楽しみです。
それにしても、この物語はいったいどうやってどう終わるのだろう。ただの印象で乱暴なことを書いてしまっているけれど、ほんとすごい漫画だと思います。