恋文日和/ジョージ朝倉

恋文日和 (1) (講談社コミックスフレンドB)

恋文日和 (1) (講談社コミックスフレンドB)

友達に貸してもらって読みました。私はジョージ朝倉さんの漫画を初めてちゃんと読んだのがIKKI連載当時の「平凡ポンチ」だったのですが、この「恋文日和」はおすすめされたときに聞いたとおり、今の作風とはイメージがずいぶん違って驚いた。絵柄も、この頃はまぶたの描き方などに岡崎京子さんの影響が見えたりする。

恋文日和」はラブレターをモチーフに描かれる短編集。
口に出す言葉と、書く言葉の違いだったり、「手紙」という相手の顔が見えないものだからこそのすれ違いにそわそわできて楽しかった。
特に1巻の屋上のお話と、2巻のFAXの話が好きでした。特にFAXの話は、みんなが見てない場所でのやりとりを、表に出すまでがもどかしくて、でも顔見て話してたらこんなふうに素直にはならなかったんだろーなってとこのさじ加減がとてもよかったです。
恋文日和(2) (講談社コミックスフレンドB (1230))

恋文日和(2) (講談社コミックスフレンドB (1230))

そして3巻になると、いきなり最近の作品になってる気がするんですが(掲載号がわからないけど2巻と3巻の間に3年くらいあいてるし)、これがもう、作風ごとがらりとかわってて面食らいました。
その最近の作品と思われる2作品のうち、ひとつはちょっとこのシリーズからは浮いてる感じがしたんだけど、最終話はすごく好きで、3巻とおして、1番好きなのはこの最終話「METAL MOON」かもしれないなと思った。
「METAL MOON」は、「あなたのこと好きだって気づいたんだけど、好きになってくれっていうんじゃないから」という手紙をもらったことをきっかけに、その子のことが気になり始める男の子のお話。「あの手紙みたいな情熱でおしてくれたら」と思う感じは、ちょっと「モテキ」とも重なるなーと思った。
気になるけど、好きかどうかまだわからない、その瞬間までの満ち引きの様子が生々しくていい。
恋文日和(3) (講談社コミックスフレンドB (1399))

恋文日和(3) (講談社コミックスフレンドB (1399))