わらったりとんだり


好きなもののことになると、つい前のめりになってしまうのをどうにかしたい。ちょっと恥ずかしい。かといって落ち着こうと思うと無関心なふりしてるみたいになるし、それでも、机の上にポテトチップスとかりんとうがあったら、いつのまにかポテトチップスばっかり食べてしまうのはわかりきっているので、無駄な抵抗はやめたほうがいいのかもしれない。
前に、いつももの静かな友達が、好きな音楽の話を始めたとたん、ぱっと楽しそうな顔になったことがあって、それにぐっときたのが今も忘れられないんだけど、自分もあんなふうにかわいらしく、好きなものの話ができたらいいのになと思う。思うだけでどうもできないのは残念だけど、でもそれ以上に、あの楽しそうな様子がもっとみたくって、さーって話してるだけでまた前のめりそうだ。
なんとなく、焼いた厚揚げにネギみじんのっけて食べたいとか、ミョウガもいいなとか、ビールの気分になって、春の背中を見送りながら、もう夏が近づいてるようで嬉しい。今日なんてほんと洗いたてみたいないい天気で、ずっとそわそわしてて、つまり夏がすごく好きなんだよなと思った。