夏休み日記

先週は夏休みだった。あーもう夏休みか、と思っている間に終わってしまって、具体的に何をしていたんだかいまいち思い出せないのだけど、たぶん特ににこれといって何もしなかったのだと思う。
学生の頃の夏休みといえば、1年の中心といってもいいくらいの一大イベントだったのに、なーとか思っているうちにまた時間が過ぎる。ちょっと待って、って落ちてくる砂を受け止めようとしても、結局押さえきれずに埋もれる。

けれど子どもの頃の夏休みだって、思い出してみれば漠然としたものだ。朝起こされて、弟をつれてラジオ体操。中途半端にたまったスタンプ帳を首から下げるのもうっとうしくて、それでも誰かいればいいのにって校庭をのぞくけれど、皆それぞれに夏休みで特に見知った顔もなく、また来た道を帰る。
明日もまだ休みだ、と考えながら眠るのはわくわくするけれど、特になにもせずに終わる日のがきっと多かったはずだ。
ああでも、親戚のうちで毎晩大貧民をするのは楽しかった。スピードもやった。線香花火の玉大きくしようと思って何本かまとめて火をつけて、たぶん生まれて初めての火傷をしたんだった、とか。そのときのこと絵日記に書いたら「あぶない!」て赤ペンで書かれたこととか。

漠然といつかの夏休みを思い返しながら、妹と流れ星を待つ。確か水曜日の夜、夜中の2時半に流れ星が見えるらしいというこれまた漠然とした情報をもとにベランダに出たものの、「曇ってるね」「こりゃ無理だね」とあっさりあきらめて布団に入る。
そんな風に、やろうと思ってたこと何もできないまま、また月曜日が始まってしまったわけだけど、明日の弁当とか作りながら、夏休み中よりよっぽど活動しているなあと思ったりもして、要するに、やろうと思ってることをやるのに、夏休みだろうが平日だろうが関係ない…なんて正論ぽい結論にたどり着いて、
とりあえず生きてるうちに、とか言わないで、会いたい人に会いたいなと思った。