昔話/座敷わらし

「座敷わらしの宿」全焼 「全員無事だったのはわらしのおかげかも」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/disaster/091005/dst0910051228008-n1.htm

ニュースとは全然関係ないんですけど、座敷わらしで思い出した父親の話。

まだ私が子どもの頃のある日、仕事から帰ってきた父さんが、

「会社で座敷わらしって呼ばれてるんだよね」

と言いだしたことがあった。座敷わらしといえば、確か幸運の守り神というか、座敷わらしのすむ家は栄えるとか、そんな昔話があったよなあと思い、漠然と父さんのおかげで部署が儲かってるとかそういう話なのかな、と子ども心に考えてもみたんだけど、
父さんはまだ何か言いたそうにニヤニヤしているので(そもそも話しかけてくること自体珍しかった)、念のため「なんで座敷わらしなの?」と聞いてみると、

「いるかいないかわからないからだってwww」

と、「うまいこと言った」みたいな顔で笑い出したのだった。

今になってみても、わりと複雑な気分になる話なんだけど、とりあえず父さんはこういう人なんだなぁ、と子ども心に気づかされた出来事だった。
まあ、だいぶ後になって、それは父さんが部署で一人フレックスタイムを貫いていたからだと元同僚の方に聞いて知ったのだけど(それもまたすごい話だけど)、
じっさい父さんは強いというかなんというか、例えば道で会っても必ずシカトだし、家族でディズニーランドへ行っても一人で別行動するような人なので、たぶんこの出来事もほんとうに「おまえらうまいこと言うなー」みたいな感じだったのだと思う。たぶん。
ともかく、その出来事のせいか、私にとっての座敷わらしは、幸運がどうこうよりも「いるかいないかわからない」ものという印象になってしまってたので、上のニュースを見て、ああそういえば「見たい」と思われるようなものでもあったんだなーと思い出したのでした。