「コララインとボタンの魔女」


監督:ヘンリー・セリック
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』などのストップモーションアニメで知られる監督の新作。テレビで少しメイキングを見たのですが、コマ撮りアニメってほんと、気の遠くなるような作業だよなあと思う。しかもこの作品も95%はそこにあるものの撮影だっていうからすごい。
でも実際に出来上がった作品を見てみると、月並みな表現になってしまうけれど、ほんとに人形が動いている世界に見える。人形って動くものでしたよね、と思わされる。

でも僕の場合、ストップモーションアニメの製作費を出してくれる出資者がいる限りはストップモーションアニメを作り続けたい。僕にとってナンバー1の手法 だからね。だって考えてごらんよ。セルの一枚一枚に絵を描いたり、モニターの前でピクセル単位で格闘しているよりは、パペットを動かしている方が楽しいで しょ。
http://news.livedoor.com/article/detail/4604754/

こう語る監督だからこそできることなのかなと思うし、その感覚は、作品中にでてくる、「トビネズミ」のサーカスを訓練しているボビンスキーの世界に近いのかななんて思ったりしました。何より、この監督の持ち味でもある少し不気味で愛らしい世界観は見ていてとても楽しかったです。衣装もかわいかったな。

物語は、引越したばかりで知り合いもいないし両親はかまってくれないしで不満がたまっている主人公、コララインが、家の中に小さな扉を見つけるところからはじまる。その扉の向こうには、優しい家族がいる世界があって…でもなぜか皆目がボタン、というお話。
最終的に、両親の大切さに気づいた! とかそういう教訓的なものがあるわけでもなく、正義感でもなく、現実に戻ることを迷わない主人公のたくましさに「千と千尋の神隠し」をちょっと思い出したりもした。(と思ったら↑に引用した記事で監督もそう書いていた。)
全体的に楽しく見たのですが、なぜあの家に引っ越すことになったのかってところにちょっとひっかかってしまったんだけど、なんか説明あったかな。

ところで、最近なんで3Dが流行ってるのかよくわからないんですが(新しいカメラでも開発されたのかしら)、この「コララインとボタンの魔女」を見てて、正直なところ、3Dは苦手かもなあと思ってしまった。
というのも、今日見に行った映画館の3D眼鏡がちょっと重くて、見てるとずれるし、固定できないしっていうので気が散りすぎた。作品と関係ないところで、集中できないってのはもったいない。眼鏡はずして見てみたりもしたんだけど、やっぱり裸眼で見るものじゃないんだよなあ。
3Dってことを意識したカット(空から俯瞰する風景とか、奥行きのある絵とか)はとてもよかったので残念。
もちろん、多くの人が問題なくかけられるように作られた眼鏡だとは思うんだけど、ってのが悩ましいところです。3D作品って、ソフト化されたときはどうなるんだろう?