「SRサイタマノラッパー」

監督:入江悠
あちこちで感想を見かけて気になっていた映画。2009年のゆうばり国際ファンタスティック映画祭オフシアター部門グランプリを受賞後、現在なんと4度目のリバイバル上映とのことで、やっと見てきました。面白かった。

ライブハウスもレコード屋もない埼玉のフクヤ市に暮らす男の子たちの青春もの。ラッパーになるという夢はあるものの、まだ及び腰で仲間と足並みをそろえつつあたりをうかがっているような主人公が、中学時代の同級生の女の子との再会をきっかけに少しずつ変わっていく。
男の子の友情ってこんな感じなのかなーってやりとりも面白かったけど、やっぱりラップしてるシーンが楽しかったな。
あと、主人公たちの憧れの先輩がトラックを作ってくれてるって設定なんだけど、最後に車でCD聴く場面とかぐっときた。
そして何より、新聞の切り抜き集めながら、なんか最近、理不尽に感じることとかないかねえ、スケールのでかい怒りとかさぁ、なんて言ってた主人公が、自分の言葉というか、伝えたいことそのものになるっていうラストシーンが、いいなと思いました。イメージに合う言葉を探すんじゃなくて、伝えたくてでてきた言葉には切実さがある。
主に録音のバランスなどで気になるところはあったものの、とても楽しく見ました。
上映終了後のサプライズも嬉しかったな。ブログなどを見るとあちこちでやってたみたい。