「ローラーガールズ・ダイアリー」

監督:ドリュー・バリモア
楽しかったー! 映画館を出た後、本開くのも音楽聴くのもちょっともったいないくらいの余韻を引きずったまま、この映画のことはきっとこれからも、何度も思い出すだろうって思った。少し早足になる。楽しくて笑ってばっかりだったのに、泣きすぎて頭がガンガンしてるのもなんだか可笑しかった。

物語は、田舎町に暮らす高校生ブリスが、ローラーゲームに出会うとこからはじまる。この、ローラーゲームをやってる女の人たちがとにかく皆タフで魅力的なのが、この映画の1番の見所だと思う。
それぞれ事情はありつつ、おしゃれをするのも、おしゃべりも、ゲームで勝ちたいのもまずは自分のため。それを、監督であるドリュー・バリモアを筆頭に、キャストの女性全員で体現しているような映画だった。ミニスカート最高! とか思う。とにかく、登場人物たちの笑顔の雄弁さといったらなくて(↑の画像の笑顔とかね!)、これはもうキャスティングの力だなーと思いました。
特にライバルチームのエースを演じるジュリエット・ルイスの存在は象徴的で、彼女が主人公に対して言う台詞にはいちいちぐっときてしまった。
主人公は10代の女の子だけど、年齢を偽って入団するため、チームメイトはすべて彼女より年上の女性たちだ。そうやって、10代の頃に、楽しそうな「先輩」の姿を見ることの心強さ、というのも、この映画のテーマのひとつなのだと思う。とはいえ、ブリスは彼女たちに憧れている訳ではないだろう。むしろ、「大人」も自分も、たいして変わらないのだと知ることが彼女を身軽にしていくように感じた。
やがて、ブリスと対立してしまうかのように見えた母親もまた「同性の先輩」なのだということが、「いまは非難しないで」というギリギリの台詞をきちんとくんでくれるところでわかる。この、台所でのやりとりが、ほんとうにたまらなかったな。
お父さんもチャーミングで素敵だったし、友だちの女の子もバイト先の男の子も、みんな大好きだーって言いたくなる映画でした。

ところで、この映画を見終わって真っ先に思い出したのが「ゴースト・ワールド」という映画のことだったのだけど、見終わって一緒にご飯を食べた友だちがまったく同じことを言っていて、なんだかすごく嬉しかった。あの映画の先に、この映画があると思うと、すごく励まされる。
楽しいこといっぱいある。自分を信じてくれる人もいる。だいじょうぶ。
そんなことを思う。ほんとうに楽しくて、わくわくする映画でした。