「天使の囀り」/貴志祐介

天使の囀り (角川ホラー文庫)

天使の囀り (角川ホラー文庫)

貴志祐介さんの本を読んでみたいなーと思い、おすすめしていただいたこの作品を読みました。面白かったです。
主人公の精神科医が、アマゾン調査の仕事後、人が変わったようになってしまった恋人の死の謎を追う…という物語。
あとがきを読むと、この本が出た頃はちょうど「バイオホラー」ブームだったらしい。言われてみればそんな頃があったような気がするけどたぶんその枠に入る小説を読むのはこれが初めてでした。
なのでジャンルとしてどうってことはよくわからないのだけど、読みながら、主人公の恋人と同じ状態になった人の「主観」も読んでみたいなーと思いながら読んでいて、でもそうなったら、この作品はSFになるような気もした。そしてそれがないからサスペンスになっているのだとも思った。
そもそも、そういった自分の中のSFのイメージがあってるのかどうかもよくわからないのだけど、「人はどこまでその人自身か」という話を、SF以外の形で読むのが新鮮で面白かったです。