麻生みこと新刊2冊

「そこをなんとか」4巻/麻生みこと

そこをなんとか 4 (花とゆめCOMICSスペシャル)

そこをなんとか 4 (花とゆめCOMICSスペシャル)

新米弁護士シリーズの新刊。
今回の事件は「著作権侵害」「示談交渉」「男女雇用機会均等法」の3件。このシリーズを読んでいると、社会のややこしいところに、法律っていうのはうまいこと線をひくものなのだなと思ったりする。もちろん、それだけじゃ仕切れないところもあるというのをきちんと描いていて、面白いです。正直なところ主人公のキャラクターがちょっと苦手な気もするんだけど、でもやっぱりおもしろい。特に主人公の弟がセクハラを受けているのでは…ということからはじまる男女雇用機会均等法の回のラストは、セクハラとは何なのかということをうまくあらわしていたように思った。

路地恋花」2巻/麻生みこと

路地恋花(2) (アフタヌーンKC)

路地恋花(2) (アフタヌーンKC)

職人が集う京都の路地を舞台にした短編連作シリーズ2巻目。
1巻から引き続き登場している人もいて楽しい。こういう群像ものは大好きです。ただ、「そこをなんとか」と続けて読むと、麻生みことさんは、「自分の考えを譲らないということ」を、山場に持ってくることが多いような気がして少し気になった。いい話なんだけど、おしが強いイメージ。特に短編連作だと、そういったシーンが続くだけで登場人物の印象がかぶってしまうような気がします。
各話後にある「やむおち」コーナーが好き。


ところで、上記2作はそれぞれ出版社が異なるのだけど、発売日が近かったこともあり、帯にお互いの広告が入っていていいなと思った。メロディとgood! アフタヌーンという掲載誌のジャンル違いからか、わりと離れた場所に積んでる書店が多いんだけど、そういうときに帯って店頭ポップみたいな役割するんだなとか改めて思う。