英国王のスピーチ

2月くらいに見ました。予告を見てぐっときて見に行ったのだけど、見せ場は予告でほとんど見せてしまってるんじゃないか…と思いました。でも面白かったです。

見ながら思い出していたのは小学校の同級生の古川(仮名)君のことでした。古川君はこの映画の主人公と同じく人前で話すのが苦手な子だったんですけども、例えば隣の席で、授業中に小声で話したりするぶんには言葉に詰まるようなこともなかった気がします。
彼はサッカーがとてもうまく、男女問わず学校内の人気者でした。確か私たちが大学生になった頃、ある有名なスポーツクラブに入った、という話を聞いたときには、サッカー上手かったもんねえと話し合い、元同級生として誇らしいような嬉しいような気持ちになったものです。
放課後の教室で、サッカー部の男の子たちが靴下の中にサポーターを入れている様子を今でもよく覚えています。足が少し太く見えるのがかっこよくて、私も運動が得意だったらなーというようなことを、私は古川君に言ったことがあります。
古川君は口をちょっと曲げて笑い、何も言わずに教室を出て行きました。古川君のことを思い出すときに、まず浮かぶのはその表情です。
私は、この映画でコリン・ファースが演じる主人公を見て初めて、もしかしたら古川君も吃音で悩んでいたことがあるのかもしれないということに思い当たりました。今となってはわかりません。
ただ、その人が魅力的であることと、その人の悩みを解くことはまた別のものなんだろうなと思うし、この映画でも当然ながら、そこは別物として描かれていたと思います。