絵本の中の記憶

最近、友だちの子どもに絵本をプレゼントするという機会がいくつかあったので、どんな本が良いかを考えながら、自分が子ども時代に読んだ絵本を読み返してみました。どれも本当に面白くて、ストーリーはだいたい覚えているのに、楽しくてつい夢中になって読んでしまう。そしてあらためて、本って自分の記憶の一部なんだなあということを感じました。
気に入りの本は何度も読んだり、読んでもらったりしたからか、本を読んで思い描いた場所には行ったことがあるような気がするし、絵の続きにある景色も、キャラクターが動いているところも、自分は見たことがある、という変な自信がある。
こういった気分を味わえただけでも「久しぶり」ってすごく楽しいなと思いました。

今回読み返していて特にぐっときたのは、名作「きょうはなんのひ?」です。
読みながら、自分もまた、この本を真似してあちこちに手紙を隠したことが思い出されて、まるで本の中に自分の記憶があるみたいでした。
それから同じく林明子さんが絵を書いている「びゅんびゅんごまがまわったら」。本当かどうかわからないけれど、モデルになった小学校が隣の学区にあるときいて、わざわざ見に行ったのを覚えています。
どちらの作品も、すごく、ジブリアニメっぽい雰囲気があるので、アニメ化すればいいのになあとも思いました。

きょうはなんのひ? (日本傑作絵本シリーズ)

きょうはなんのひ? (日本傑作絵本シリーズ)

それから、すっかり忘れていたけど、表紙を見た瞬間に「これ好きだったー!」ってなったのは「わたしのワンピース」。
真っ白なワンピースが、お花畑を散歩していると花模様に、雨が降ると水玉模様になったりするというとってもかわいい本で、今みてもかなりときめきます。
友だちの子どもが女の子だったらぜったいこれをあげたいんだけどな、と思いつつ、今回は男の子だったのでほかの本を選びました。
わたしのワンピース

わたしのワンピース

たぶん、今私のなかにある「懐かしい風景」のいくつかは、絵本や、本を読んで思い描いた場所なんだろうなと思います。
それは、いまもきっと変わらずに本の中にあるはずで、それをあらためて見つける楽しみがあるんだなと思うと、新しく知ることより、思い出す事の方が増えていくというのも、悪くないなと思ったりしました。