つばな 新刊2冊

第七女子会彷徨」4巻と、KISSでの連載作品「見かけの二重星」を読みました。どちらもとっても面白かった。
すべてのお話にアイデアがあって、突飛な設定もあるんだけどわかりやすい。こういうSFコメディをコンスタントに描ける漫画家さんて今他にいないんじゃないかなと思います(アシスタントをしていた石黒正数さんと近いところもあるけど、それ町はSFもあるっていう感じだし)。

第七女子会彷徨 4(リュウコミックス)

第七女子会彷徨 4(リュウコミックス)

第七女子会彷徨」は近未来の女子高生二人を主人公に、毎回何かしらの事件が起こるという1話完結のシリーズです。「友達制度」とか、死んでるけど時々遊びにくる友達とか、初登場時はちょっと「えー」って思ったような設定が、物語になじんですでに当たり前にある感じが面白い。そこに「宇宙人と入れ替わる話」「天国で海に行ったりする話」「共有リングで友達と頭のなかが直結する話」(全部4巻)など、いろいろ想像するのが楽しい話が毎回でてくるのがすごいなと思います。
見かけの二重星 (KCデラックス Kiss)

見かけの二重星 (KCデラックス Kiss)

「見かけの二重星」は、ある日道端で出会った科学者の実験に付き合ったおかげで自分が二人になってしまう、というお話。片方が「偽物」という話がでてから、主人公が「あんたは私じゃない!でも宇宙人でもない!」っていう瞬間までの画面の作り方はうまいなー!と思いました。
このお話は「自分がもうひとりいたら」というSF定番の題材から、さらにもう一歩、いわゆるパラレルワールドものに展開します。二つのテーマは少し飛躍してるような感じもするけど、そこを物語でうまくつないでいるなと思う。
あくまでも日常の延長線上にすこし不思議を持ってくる描き方がとても好きです。すこし不思議SFが好きな人にはぜひおすすめしたい!