監督:アダム・シャンクマン
歌手になることを夢見てハリウッドへでてきた少女とライブハウスで働く青年の恋とすれ違いに、トム・クルーズ演じるロックスターの再生が交差する、というとてもシンプルな物語です。
2005年初演のミュージカルの映画化とのことですが、例えば「ムーランルージュ」や「シカゴ」、「バーレスク」などの、ストーリーの合間合間に音楽シーンがあるという構成のミュージカル映画よりも、冒頭シーンでいきなり歌いだすくらいにミュージカルでした。
時代設定はたぶん70年代後半から80年代初頭のハードロック全盛期。トム・クルーズ演じるロックスター「ステイシー」は、アクセル・ローズをモデルにしているのかなと思いますが、ガンズがデビューした1985年よりはもうちょっと前の時代設定だと思います。物語中盤で、「ハードロックはもうダサい! これからはポップス(?ラップともいってた)だ」ってある登場人物がニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックのようなアイドルグループを結成させられそうになったりするのが面白かったな。
自分は、60年代後半からから70年代初頭の音楽は好きでいろいろ聴いたりした頃があったのですが、そこから90年代までの間が知識としてすっぽり抜けているので、もっとこの辺りの時代を描いたお話が見てみたくなりました。
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私がこの映画を見に行きたい!と思ったのは、監督のアダムシャンクマンと振付のミア・マイケルズが審査員や振付師として出演しているアメリカのTV番組「So You Think You can Dance」が大好きだからでした。この番組は日本では「アメリカン・ダンス・アイドル」という名前で放送されていまして、あの「アメリカン・アイドル」と似たような方式で番組が進行するダンス・オーディション番組です。社交ダンス、ヒップホップ、ジャズ、タップ、コンテンポラリーなど様々なダンスを専門とするダンサーたちが、毎週自分の専門外の振付けにも挑戦し、目に見えて上達していく…というのが見所でもあります。前に書いた感想(http://d.hatena.ne.jp/ichinics/20070111/p3)
中でも特にミア・マイケルズの振付けが好きなので、主にダンスを楽しみにして見に行ったのですが、基本的にはロックミュージカルなので、あまり「ダンス」を見ることはできませんでした。ダンスが印象に残ったのはキャサリン・ゼタ・ジョーンズくらいかな…。
そういう意味では、正直自分の期待したところとは異なる作品だったのですが、
とにかくトム・クルーズ演じるステイシーがすごくて、あの目力でおなかいっぱいになれたので、よかったかなと思います。あと主役の女の子の声もよかったです。あとなんか???ってなる見所シーンもあります。でもやっぱりこれに出演してやりきったトム・クルーズがとにかくすごい!と思う映画でした。