「さよならガールフレンド」/高野雀

さよならガールフレンド (フィールコミックス FCswing)

さよならガールフレンド (フィールコミックス FCswing)

とってもよかった。
この短編集がデビュー作とのことですが、かなり前コミティアで買った本を読んだことがあって、そのときとすごく印象が近い短編集だった。連作ではないけれど、どのお話も少しずつ倦怠感をまとっていて、登場人物の女の子はそれを振り切る潔さを持っている。描きたいテーマがはっきりある作家さんなのかな、と思いました。
表題作の「さよならガールフレンド」は、閉鎖的な田舎町から出て行く女の子のお話で、山内マリコさんの「ここは退屈迎えに来て」や「アズミ・ハルコは行方不明」の晴れ晴れとした感じを思い出す。
自分の気持ちに一番近いなと思ったのは「わたしのニュータウン」。学生時代からの友人が、結婚して引っ越してしまうことになるお話で、私もこの年になればこのようなことは何回か経験していて、毎週のようにあっていた友人の一人は郊外、もう一人は海外に行ってしまって、今となってはLINEだのなんだので割と頻繁に連絡がとれるし、さみしさなんてないんだけども、
それがきまった瞬間は、こんな風にいろいろ入り混じった感傷にひたったものだった。

こちら(http://www.shodensha.co.jp/sayonaragirlfriend/)の特設サイトで公開されてる連作「あたらしいひふ」もすごくよかったので読めるうちにぜひ。
女性4人それぞれの視点から描いた洋服についての物語で、洋服を選ぶことって自分について考えることなんだよなーって改めて思ったりした。