2019年のゴールデンウィーク

2019年のGWは10連休らしい、ということは知っていたけれど、実はなぜ10連休になるのかは直前までわかっていなかった。なんとなくすべてがオリンピックのせいのような気がしていたけれど、あらたな元号発表とともに改元は5月1日に行われると知り、「もしかして今年の10連休って改元だから?」「いまごろ!?」みたいな会話をしていたくらいだ。


そんな平成の終わりに何をしていたかというと、私はマーベル・シネマティック・ユニバースMCU)にはまっていた。
10連休には興味があっても、なぜ10連休になるのかを知らなかったように、MCUのことも、興味はあれど「なんかたくさんあるから」と後回しにしたままだった。
履修をはじめたのは、エンドゲームという“最終章”の映画が公開されるらしいと知り、そうなったら絶対そのタイミングで見たくなるに決まってるから……というミーハー心ゆえのものだったのだけど、GWに入る頃にはまんまと、「せめて3年くらい前から追いかけていたかった……」なんて思っていたし、公開当時に見た際はハルク以外のキャラクターがわからなかった「アベンジャーズ」も、公開順に見ていけば、ヒーローが大集合するお祭りみたいな最高映画に感じられた。
ヒーローそれぞれの物語を知ったうえで「集合体」を見ることの、個別の物語がお互いに反応しあって輝く感じ。つまりアベンジャーズはドームコンサートだな……なんて納得の仕方をして、GW2日目にエンドゲームの予約をした。そして見た。このタイミングで一気に見たからこそ全ての記憶が新鮮で、そういう意味では良いコンディションでの鑑賞だったと思うけれど、やはりあともうちょっと、この物語の完結を夢想していたかったという気もした。
見た足で友達と合流してビールを飲みながら涙ぐみつつヒーローたちを讃える会をやった。5時間くらい喋ってたのに気づけばMCUの話しかしてなくて笑った。

GWの初日はバス旅行に行った。気心の知れたメンバーと親戚旅行みたいなテンションで、のんびり花を見たり、お弁当を食べたり、生まれて初めて「イチゴ狩り」をしたりした。普段めったに果物を食べない生活をしているため、おいしいいちごを食べてしみじみ感動してしまった。
実家で果物を積極的に食べるのは父親だけだったので、果物を見ると父親を思い出す。子どもの頃、父のコンデンスミルクを勝手に食べて(スプーンに出して舐めていた)は怒られたものだ。

いわゆる「平成最後の日」は実家にいた。
平成最後の日だから集まったわけではなく、GW中に皆の都合があうのがそこしかなかったのと、翌日が弟の誕生日だからだ。昼ごはんは手巻き寿司だったが、母が北海道から買ってきたうにがとてもおいしく、皆がうにばかりを狙い撃ちしていた。食後は甥っ子と遊んだり、兄弟でカードゲームをしたりした。インサイダーゲームという、伏せられたキーワードを会話で探りながらインサイダーを探すというゲームがとても面白く、全員めちゃくちゃ早口でキーワードを当てにいくスタイルなのが似すぎてて大笑いした。いい平成最後の日で、「誕生日おめでとう、明日だけど」と言って別れた。

インサイダーゲーム

インサイダーゲーム

友人たちと横浜で中華を食べた日には、中国式の獅子舞が各店を訪れるお祭りのようなものをやっており、友人2人が獅子舞(のようなもの)に噛まれたので無病息災でめでたかった。「令和」と書いてある月餅が売られていたりもして、そこはかとなくめでたい気分を味わう。

髪を切りに行った日にも、エンドゲーム後の友人と急遽予定を合わせてMCU話をした。
いろんな人の感想を読んでいくと、やはり長いシリーズだけに、それぞれに思い入れを携え劇場に向かっているのだなと感じる。そして、その高揚感みたいなものが、やはりドームコンサート(概念)みたいだなと思ったりする。こうして映画を見てすぐ勢いで集まって喋る……みたいな、まるで炭酸水が胸元でずっとくすぶってるような感覚は久しぶりだった。

MCUにはまったとはいえ、引き続きドラァグレースにもはまっていて、令和最初の日には念願のドラァグレース会もした。カラオケ店でテレビにPCをつなぎ、推し(アリッサ)の最高シーン特集をしていたらあっという間に3時間が過ぎていて笑ってしまった。カラオケ店を出た後も、飲みながら延々とRPDRやクィーンたちの話をしていて、大変充実した1日でした。楽しすぎた。
お店の店員さんに「令和最初のご予約をどうも」と言われ、そういや今日からかと思いだしたんだけど、令和もこうして好きなものにわくわくしていたいものです。
GW中は、別の友人にも「ドラァグレース見てるよ!」と声をかけてもらい、その時も嬉しくてめちゃくちゃ早口になった。RPDRは本当に楽しい。この楽しさについて、もうちょっとうまく言語化できるようになりたいなと考えているところ。

家でポテトチップスサンドを作った日もあった。これはとてもうまくできたので今後もより良い(自己流のではあるけど)レシピを探っていきたい。
掃除へのモチベーションをあげるために「KONMARI」を見はじめ、「クローゼットの中身を全部ベッドの上に出す」というステップを真似してみたりもした。
これは確かに良い方法で、一度出して全部を目の当たりにすると、必要なものと不必要なものがわかりやすくなるし、自分が持っている服の再確認にもなるため、久しぶりに着たいと思える服も見つかって嬉しかった。
結果的にクローゼットの中身を1/3程度減らすことができたのでこれは成功だったと思う。

GW最後の日は、友人の家に集まった。かつては毎晩のようにファミレスに集ってはくだらない話をしていたメンバーだったけど、全員が集まるのはとても久しぶりでーーそれこそが問題だったのだと私たちは薄々気づいていたにもかかわらず、長らく動けずにいたのだ。
荷物の整理をしていたら見つけたという、過去の自分が送った手紙類を見せてもらい、そのあまりのくだらなさに笑ったりもしたけれど、そこからずいぶんと遠くに来たことを感じたりもした。
でも今またこうして顔をあわせて話せているということは、少なくとも良いことに数えられるだろう。

いわゆる節目らしいことはなにひとつしていないけれど、いつか、平成の終わりは何をしていたっけな〜と振り返った時に、いい10日間だった、と思えるような気はする。
ただ、この落ち着きのなさは、この日記をはじめたときのプロフィール文「あたまのなかくらいきちんとかたづけたいのになかなかうまくいかない」が放置されてきた証拠でもあるため、新しい年号では少しくらい頭の中が整理できていることを願ってみる。