葉桜

あちこちに桜の花びらの吹きだまりがあって、数カ月前の落ち葉も、この花びらも、どこへいくんだろういつのまにか、と考える。考えながら、道を縁取る白色はデコレーションみたいで、ずっとケーキが食べたかったことを思い出す。白色の。それと同時に、桜の白は夕暮れ時の青いくらいの空に映えるよなということを思い、そういえばダイハードの1か2かで滑走路に火でラインを描いて着陸させるあのシーン、よく考えたらあぶないよなぁとか考える。携帯を取り出してみるけれど、携帯カメラをつけてみても目に見える白はうつらない。かわりに写真フォルダから好きな写真を開いて見て、もういちど立ち止まって見る。うれしいこと思い出して、すこしだけさみしいみたいな気持ちになる。見上げる桜並木はすでに葉桜で、もう夜で、4月だった。