2026年の目標と昨年の振り返り

1年のはじめなので、今年の目標を書いておきたいと思います。
その前に、昨年書いた目標の振り返りから。

2025年の目標と結果

  • 読書:ジャンル偏らずに年50冊程度

これはまあまあできたと思います。DMMブックスが定期的に「1万円以上で10%〜15%オフ」みたいなクーポンを出しているので、最近はそれを使って月1で1万円買っていいということにしている。たまには紙の本も読みたいと思うんだけど、どうしても移動中はスマホで読む方が楽なのでした…。

  • 運動:毎日15分〜30分継続する

これも達成できたんだけど(フィットボクシングは1年続きました)、相変わらず全然、全く痩せない。なんでだろうと思ってChatGPTに相談したら運動強度が弱いのではという指摘があったので今年はその辺りを改善していきたい。

  • 英語:作文の練習をする

これは全くだめでした。夏以降バタバタしていて完全に止まってた。

  • 野球シーズンの日焼け対策

これはけっこうがんばった。シーズンはじまったらまとめたい。

  • クローゼットを整理する

全然だめでした。やろうね。

  • 衝動買いをしない

途中まで頑張ってた気がするんだけど、なんかタガが外れた月が何度かあって水の泡でした。

  • カメラをオートばかりでなくもう少し理解して使う

進捗でいうと15%、って感じです。野球しか撮ってないからだと思う。

ツインピークスのファーストシーズンとセカンドシーズン(全30話)はみたんです。
でもそれを見たあと、2017年版を見始めたところでAmazonプライムの見放題が終了し、1話500円レンタルになってしまったため見切れていません…。いつかチャンスがあったらみます。

  • 作り置きのレパートリーを増やす/実家に月1程度で顔をだす

これは実家日ができたことにより、結果的に達成されました。週1で甥っ子に会うようになり、すっかりいつメン扱いになったのは楽しかったポイント。

ichinics.hatenadiary.com


この結果を踏まえての、今年の目標です。

2026年の目標

・読書:ジャンル偏らず年50冊程度
・運動:引き続き毎日フィットボクシングを中心に強度を上げる日を作る+スクワット
・運動:運動によって体重を3キロ以上落としてキープする
・語学:ハングルを読めるようになる(読めるまででOKとする)
・語学:日常的に英語を聞く量を増やす
・野球:年間通した簡単な記録をつける/岩崎投手の甲子園での登板を見る
・旅行:サンライズに乗る
・写真:野球以外でもカメラを使う
・生活:クローゼットと押し入れを片付ける(GWと夏に)
・生活:衝動買いをしない/でかい買い物も今年はしない
・料理:1年かけて「特にお気に入りのレシピ」を10くらい見つける。
・仕事:とにかく今のプロジェクトを終わらせる

  • 読書

これは引き続きやっていきたい。Readsというアプリに記録をつけています。
https://www.reads.jp/u/ichinics

  • 運動について

フィットボクシングは続けつつ、今年はちゃんと体重が落ちることを目指したい。飲んでる薬の影響で代謝が落ちているので、そもそも体重が減りにくいみたいなことはあるみたいなんだけど、まる1年続けて体重が1キロも落ちていない(増えてもいないけど)のが本当に謎なんですよね。

  • 語学について

好きな料理コンペティション番組「白と黒のスプーン」のS2が公開されて、それを見ていたら唐突にハングル読めたい欲が湧いてきました。画面にでる食材名とかのハングルが読めるだけでいい(例えば字幕では「にんじん」とわかるけど、それを韓国語でなんと発音してるのかを知りたい)ので毎日アプリをやっています。法則がわかってきて楽しい。まずは読めるようになる、が目標です。

そして英語は、テキストやるのもいいけど聞く量増やすのがいいかな? と思い、料理中に聞くものを、今年からラジオ英会話+英語のyoutubeにしました。これも結構楽しい。

  • 野球

これまでのような備忘録をつけることは難しくなってしまったけど、見た試合のメモは残して振り返れるようにしたいなと思うので、なんか方法を模索したい。
あと今年こそは甲子園で岩崎投手の登板を見たい(まだ1回も見れていない)。
そして甲子園の行きか帰りにサンライズを使ってみたい(西園寺チャンネルの影響です)。

  • 写真

せっかくカメラを使う生活になったのに、ほぼ野球しか撮ってないので、球場以外でもカメラを持っていくようにしたい。

  • 生活

今年はもう「でかい買い物をしない」が目標です。でかい買い物の定義は色々ありますが…要するに、レンズ欲しいとかあれこれ考えるのを今年は一旦やめるということです。あとクローゼットの整理は本当にやります。GWにやります。

  • 料理

今年は実家日ができたことによっていろんなレシピを試すようになりました。実家向けにはコウケンテツさんのレシピを参照することが多いかな。
好きで楽しく見てるのは「水田信二の注文の多い料理教室」(youtubeで見ている)です。味付けが好き、というよりは、なんでそうするのかをいちいち説明してくれるので楽しい。
youtu.be
これとか、いつも豚汁って漫然と作っていたのでなるほどなと思うとこ多かった回↑。

そして今年は、自分用の、これを作るとなったら食事が楽しみ、みたいなお気に入りのレシピを10は見つけたいなと思います。ただ、近年のそれでパッと思い出すの、長谷川あかりさんの出汁カレーくらいなので、新たに見つけるのは割とハードルが高いかもしれない。

  • 仕事

ここ2年くらいやってる仕事がもう本当に、細かなタスクの山というか、例えるなら常に50品くらいの料理を同時進行で作っている(煮込み待ちとか粗熱を取るみたいな待ちもたくさんある)みたいな感じなので、とにかくこれを終わらせるのが目標です。管理仕事も増えてきましたがそれは割と楽しくやっている。みんな優秀なので…。


こんな感じです。
何より文鳥と自分の健康に気をつけつつやっていきたいですね。今年もよろしくお願いします!

年末年始日記

12月26日

「とてもじゃないが納まらない」状態から「今年中にできるのはここまでか」という諦めに落ちついた仕事納め。
挨拶もそこそこに日比谷へ向かい、日生劇場で楽しみにしていたミュージカル「十二国記」を見る。

劇場に着くまであまりインターネットを見ていなかったため、この日の昼公演が陽子役の方の体調不良で休演となったこと、夜公演については代役の方が舞台に立たれるとのことは到着してから知った。
ただ、舞台はそんなトラブルを感じさせない、堂々としたものだった。
個人的には、六太がイメージ通りであったこと、衣装が原作の挿絵のイメージそのままであったことで8割方満足をしてしまった。

ただ、今回のお話は、十二国記の中でももっとも辛く長い物語である。この先を知っているからこそ、ヨウコ役はピッタリだと感じたけれど、せっかく柚香光さんが演じるのであれば初勅の場面が見たかったなあという気持ちもありました。なのでぜひ、風の万里まで舞台化してほしい。
あと、舞台を見に行く動機のかなり大きな部分を占めているのが「許す」を聞きたいということだったので、「許す」だけは歌ではなくセリフで聞きたかったという気もしないでもない。でもまあミュージカルってそういうものだしね。
ともかく久しぶりに舞台を見れて楽しかったです。

12月27日

実家日。トトロにはまっている甥っ子が、「すすわたり」を捕まえるポーズ(ぱちんと両手を合わせるやつ)を見せてくれる。
昼はチャーハンと卵スープ、夜用にはおでんを作る。昨日、舞台の前に交通会館の宮城のアンテナショップで買った練り物を入れたからかなり美味しくできたはず。
下の弟が泊まりがけの外出中で、明日は上の弟が来る予定になっているため、ついでにやって欲しいことのメモと、おでんを食べてねという連絡をして帰宅。

12月28日

髪を切りに下北沢へ行き、帰りにオオゼキ筑前煮と雑煮の材料を購入。ずっとどこに売ってるのかわからずにいた鶏ガラをようやく買えて嬉しい。
帰宅して文鳥ケージの掃除をした後、三鷹で友人とごはん。
毎年この店で昆布に乗せた焼き白子を食べるのを楽しみにしていて(どちらかというと、白子を食べたあとの昆布を食べるのが楽しみ)今年も滑り込みで付き合ってもらった。
M1の話とか、インターネットの話とか色々して、良いお年をと言って解散。帰りの電車も、一駅止まるたびに「良いお年を」という声が聞こえて、この季節のこの感じを改めて好きだなと思う。

12月29日

毎年恒例、プロ野球静岡県人会に行った日。
毎回、静岡駅からタクシーで球場に向かうのだけど、運転手さんには毎回「球場で)何かあるんですか?」と聞かれるし、そのたびに、プロ野球静岡県人会の説明をしている。来年は10周年とのことなので、そろそろタクシーの運転手さんにも「プロ野球静岡県人会ですね」と言われてもいい頃なんじゃないだろうか。

イベントは今回もとてもよかった。
質問されて嬉しそうな顔をする選手、みずから積極的に教えにいく選手、子どもたちにちょっと揶揄われているような雰囲気の選手。ファンにとっても、シーズン中には見られない、穏やかな表情を見れる素晴らしいイベントだし、なにより参加している子どもたちが楽しそうでよい。
イベントの後は駅のそばにある居酒屋で食事をしてから帰宅。
静岡は気候も穏やかだし、ご飯もおいしいし、来るたびに、ここに住んでみたいなと思う。

12月30日

水回りの掃除をした後、筑前煮を作ってこの日のタスクが完了。
年内映画納めということで「エディントンへようこそ」をみにいく。

12月31日

実家日。
いったん妹の家に寄り、妹の家の猫にちゅーるをあげたり水を取り替えたりする。久しぶりに会ったけれど、警戒することなく触らせてくれてよかった。最近妹の家では自動給餌器を導入したのだけど、ちゃんと時間になると機会の前で出待ちをしていて賢い。

その後、実家に移動し昼食に年越しそばを準備。海老の天ぷらは出来合いのものを買っていったのだけど高くてびっくりした。
その後、お雑煮の仕込み(鶏がらスープと鶏の甘辛煮)、三食丼ができるよう春菊の胡麻和えとそぼろ、賞味期限が切れそうな卵で卵焼きを作ってこの日は終了。
なんだかめちゃくちゃ疲れてしまい、日を跨ぐより前に眠ってしまった。

1月1日

初めて渋谷の漫才劇場に行った。
M1を見終わった後、勢いで元旦寄席のチケットを取ったのだけど、同じような人がたくさんいたのかあの日のFANYチケットは一時的にサーバーダウンしていた。

昼間の渋谷、しかもセンター街のそばを歩いたのはかなり久しぶりだったのだけど、驚いたのが道ゆく人の7割以上が海外からの観光客かなという感じだったこと。視界の中に日本人ぽい人を探す方が難しい。
もちろん、年末には新幹線も乗っているし、海外からの観光客が多いことは重々承知していたのだけど、でもこの元旦の渋谷の様子には本当に驚いた。
時間を潰すためにドトールに入ったのだけど、その店内ではフランス語、英語、あとたぶんポルトガル語など、さまざまな言語が聞こえてくる(アジア系は少なかった)。
隣に座っていた70代くらいのおじいさんは英語の参考書を開いていて、私もちゃんと言語を勉強をしようと思ったりした。
その後、漫才を見て(面白かった)少し買い物をしてから帰宅。

あと最近は月1で、電子書籍1万円分まとめ買いというのをやっているので、早速今月分を購入する。友人のおすすめに感謝。

1月2日

映画館初めで「ヤンヤン夏の思い出」を見にいく。中国語を喋っている男の子2人組が隣で見ていて、映画を見ながらよく笑っていて、あ、ここ面白いとこなんだな、というのがわかるのが楽しかった。

1月3日

実家日その3。
昼は年末に仕込んでおいたお雑煮を食べる。父用には餅ではなく雑炊にした。
おぞうには母の味にかなり近くできたと思う。鶏胸2枚分作ったのだけど、5人分ちょうどの量でなくなってしまったので、次は3枚〜でやってもいいなと思う。
15時頃、母の親友の家に挨拶に行き、私は静岡の、妹は岩手の、弟は伊豆のお土産を渡す。
あとこの日は兄弟揃ったので今年のルーチンについて相談をする。ひとまずは何とか方向性も定まったんじゃないかな。

1月4日

冬休み最後の1日。
勿体無くて二度寝をしようかなと思うけれども、ベッドの中で漫画(電書)を読んでいたら目が覚めたので起きる。
掃除をして、洗濯をして、Tver座王の特番を見る。

文鳥は元気だが、しばらく前から片足の後ろ指が曲がらなくなってしまった。痛がるそぶりはないのと血色も良いのであまり心配しすぎないようにしているけれど、徐々にバリアフリー化を進めていくべきなんだろうなと思う。
昼過ぎに近所の喫茶店に行き、食材を買って帰宅。
新しい週に備え、れんこんのきんぴら、里芋の味噌煮、豚肉の生姜焼きをつくった。

2025年の読書

今年読んだ本の中で特に好きだった10作品を紹介したいと思います。

書籍は友人のおすすめで読むことが多いのだけど、今年は特に、そのおすすめが自分の好みにはまることがとても多く、ありがたい1年でした。
自分は主に電車移動中に読書をするため、スマホ電子書籍を読むことが多いのだけど、今年はSNSを見る時間がだいぶ減ったので、その分本を読めたような気がする。あくまでも自分比でですが。

以下、読んだ順番に感想をメモしていきます!

「あらゆることは今起こる」/柴崎友香

今年最初に読んだ本。
医学書院の「ケアをひらく」シリーズの中の1冊で、小説家の柴崎友香さんがADHDと診断されてからの、自分との付き合い方を観察した報告書のような構成になっている。
日記にも何度か書いたかもしれないけれど、私もホルモン系の治療をはじめたばかりの頃、自分の精神の手綱を握るのにかなり苦労した(現在はだいぶ落ち着いた)。
たとえば、この本の中にでてくる「マルチタスクが得意ではなく常にマルチタスク状態になってしまう」という状態などはまさにその、自分の精神と格闘している時の自分と似ていて、こういうの、自分だけじゃないんだなととても心強く読んだ。
それと同時に、この感覚は全然わからないなと感じるところもあり、自分の精神との折り合いの付け方というのは人それぞれに状態は異なるものなんだなと思った(体調だってそうだからそりゃそうなんですよね)。だからこそ、もちろん治療などで道筋をつけることが役立つ場合もあるにせよ、こうした観察と試行錯誤が役立つ分野なのかもしれないなということを考えたりした読書だった。


「おもろい以外いらんねん」「ピン芸人、高崎犬彦」/大前粟生

読書会でおすすめしてもらって読んだ本。大前粟生さんの小説で、この2冊はどちらも芸人を題材にしている。
いわゆる「お笑い」について、以前は話題になる賞レースを見るくらいしかしていなかった。けれど、コロナ禍によくラジオを聞くようになったのをきっかけに、だんだんと距離が縮まり、人となりや人間関係が見えて来るとより面白い、と思うようになって今に至っている。
そして、特にコロナ禍以降の「お笑い」界の雰囲気みたいなものを青春小説として描いているこの2冊は(私にはこのモデルに誰がいるのか/いないのかはわからないけれど)自分がお笑いを見始めた頃の雰囲気と重なる部分もあったりして、とても楽しく読んだので印象に残っています。


「いまだ成らず」/鈴木忠平

私が野球にはまった理由こと「嫌われた監督」の著者、鈴木忠平さんのドキュメンタリー本。
現代と過去を行き来しながら、羽生善治さんと対戦した人を描きながら時代を描く……という構成になっている。
かつて電王戦をきっかけに将棋に興味をもったものの、どこに手をかければよいのかわからずはまりきれなかったことがあるのだけど、この本を読んで、将棋もまた、大河ドラマとして見ることができるジャンルなのだなと感じた。野球にはまったのも結局はそこなので(それが全てではないにせよ)、これを先に読んでたら今頃将棋をおいかけていたかもな、と思ったりした。特に佐藤康光さんの章がよかったな。


「ずうのめ人形」ほか、比嘉姉妹シリーズ/澤村伊智

友達におすすめされて読みはじめたのですが本当に面白い。もったいないので立て続けに読まないようにしていて今シリーズ4冊目まで読んだところ。
ホラー小説はそれほど読んだことがないので(小野不由美くらいかな?)おすすめしてもらわなかったら手をつけないジャンルだったと思うんだけど、本当に面白くてすごい。
1作目を映画化した「来る」は見たことがあったけど、小説とまた雰囲気は全然違います。
そんなシリーズの中で、今のところ一番好きな1冊を選ぶとしたら「ずうのめ人形」かなと思う。呪いの原稿をきっかけに「人形」が近づいてくる、というお話。どうなるのか続きが気になって一気に読んでしまいました。まだ読んでいないシリーズ作品のが複数冊あるのが嬉しいです。


「庭の話」/宇野常寛

友人の感想を読んで気になって読んだ本。
現代のインターネット、SNSユーザーへのパンチラインが連続する序盤はもちろん面白いけど、新たな場のたとえとして「庭」を出してくるところが面白かった。「世界が自分と無関係に変化すること」の魅力についての話が面白く、印象に残る。先日、作中にでてくる「小網代の森」にも行ってみた。


「バベル オックスフォード翻訳家革命秘史」/R・F・クァン

こちらも友人のおすすめで読んだ本。
「ふたつの言語における単語の意味のずれから生じる魔法」を研究する翻訳研究所「バベル」にスカウトされる中国人の少年の物語。
著者は中国に生まれ、アメリカで育ち、イギリスで学んだ経歴を持つ人で、だからこそ描けるのであろう「言語」の面白さが第一印象。そして、読み進めていくうちに、希少な言語を利用して生み出される力は、富める者のために使われている、というところから、言語の搾取の歴史へとつながっていく展開がすごい。
ファンタジーとしてもアイデンティティの話としても、冒険譚としても読み応えがあった。
惜しいのが私が日本語以外にもっと得意な言語があれば、あれとあれで生み出せる魔法があるなとか、色々想像できて楽しかったのかなということ。
ともかくこの作者が次にどんな話を書くのか、楽しみです。


「11/22/63」/スティーブン・キング

ずっと前に文庫本で買ってずっと積んでいたものを電子で買い直してついに読みました。読んでよかった。めちゃくちゃ贅沢な読書体験だったな。
ケネディ暗殺を防ぐためにタイムスリップをすることになる、という物語なんだけど、タイムスリップできるポイントが1点しかなく、そのためタイムスリップ先での目的を果たすためには一定期間を過ごさなくてはならない、という設定なんですよね。そこから生まれる、いつか失われる、でも現実と同じだけの質量がある時間の描き方が素晴らしい。
長い物語だけど、長いからこそ、自分の体験として残る小説ってあると思うし、この本はまさにそういう物語だった。


「ブレイクショットの軌跡」/逢坂冬馬

「同志少女よ、敵を撃て」の作者、逢坂冬馬さんの新作で、「ブレイクショット」という名前の車がたどる運命とともに、複数の主人公の物語を描いている。
Xをあまり見なくなったせいで新刊情報に疎くなっていたのですが、これも友人に教えてもらって手に取りました。
同志少女の時に、この作者さんはセクシュアリティをテーマにした物語を描きそうな感じだけど、描くとしたらどんな感じなのかな…ということをうっすら考えていて、この本はそれがテーマというわけではないのだけど、個人的にその部分もとてもよかった。
先日書いた今年の映画まとめを書いていても感じたけど、世界の速度と個人の人生の速度の噛み合わなさ、そのギャップが近年はテーマになっている作品が多く、それに自分も惹かれているという感覚があります。


「ダンシングガールズ」/マーガレット・アトウッド

アトウッド作品は『侍女の物語』しか読んだことがなかったのだけど、目に映る現実の背景には、そこに生きる人の内部にある広大ななにかがあって、それはときにグロテスクだったりする…という視点の雰囲気はしっかり繋がっているんだなと思った。
特に「旅行記者」や「訓練」は、SNSで表層を見せ続ける生活に多くの人が慣れてるいまだからこそ読み応えがある。


「大都会の愛し方」/パク・サンヨン

今年の映画ベスト発表会をしたときに、友人がこの作品を映画化した「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」を挙げていて、原作もよかったと聞いてひとまず原作から読んでみたのだけど、読み始めた途端に引き込まれてあっという間に読み終えてしまった。いい時間だった。
冒頭の作品は、ゲイの主人公とその親友の女性が同居しているんだけど、ある日その親友が結婚することになって…、という話。独白調の文体も気持ちよく、すごく親密な話を聞いているみたいだった。
そしてなんというか全体的に「恋」を思い出すような1冊だった。特に最後の作品の最後の3行、たまらないですよね。私はああいうのがとても好きです。



以上です。
今年はだいたい43冊くらい読みました。
来年は、年50冊くらい読めたらいいな。目標の類も改めて考えたい。

2025年の映画 ベスト10

個人的に、2025年はなかなか慌ただしい1年でしたが、12月の初めに今年も無事、いつメンと今年の映画発表会を行うことができました。
こういう恒例イベントを続けられるのは本当にありがたいことだなと思う。
単にランキングというだけでなく、今年よかったエンタメを語ることは、今年の自分の心理や、社会情勢などを振り返ることにも重なるんだよな〜と毎年思います。
そんなわけでこの日記にも今年のベスト10をあげておきたいと思います!

10位「サブスタンス」

「若返り薬」を手に入れてからの色々を描いた美醜ものSFかつホラー作品。
主人公の手に入れる「若返り薬」は自分の分身を作り出すタイプのもので、記憶は共有するけれど、肉体は別々、というのが、それは若返りなのか? 意味ある? と思ってしまう設定なんだけど、それでも依存してしまう感覚はわからなくもないというのが面白い塩梅だった。
私は「意識がどこにあるか」というSFが好きなので、そういう意味でとても面白かったです。特に心に残ったのはデミ・ムーアのお化粧シーン。「アイ・トーニャ」のメイクシーンを思い出した。メイクって鎧なんだなとか思う。
そういえば最近見た韓国のメイクコンペティション番組(「ジャスト・メイクアップ」)にこの映画のマーガレット・クアリーのメイクを担当した方がでていて、とても素敵だった。

9位「羅小黒戦記2 ぼくらが望む未来」

1を見た時は文鳥を飼い始めたばかりの頃で、シャオヘイのかわいさいじらしさ警戒心になんかずっと泣けてしまったのですが、2になったシャオヘイはしっかり成長していて、泣きはしませんでしたがとても楽しかった。
まずアクションアニメーションとしてもとても面白かった。工夫を凝らされたアクションシーンがたくさんあって、見せ方も新鮮だった。
そして、人間と妖精という異なる種族が共存するにはどうしたらいいか、ということをさまざまな立場から考える物語であり、安易に結論を出そうとするのではないこの作品が今中国で作られたということにぐっときてしまった。
ルーイエのいうこともわかるしムゲンの目指すものもわかる。折り合いがつくところを考え続けることが必要なんだなと思う。

8位「旅と日々」

もとになっているつげ義春作品はたぶん読んだことがないのだけど、映画を振り返るとなんなくつげ義春絵で思い出すことができるなあという映画だった。
特に後半の、大雪の中の寒そうな宿での一夜が、見てて気持ち良く、深呼吸をしたような気持ちになった。遠くに行きたい。

7位「ザ・ルーム・ネクスト・ドア」

余命宣告をされた友人の「最後の瞬間に隣の部屋にいてほしい」という願いを叶える…という物語。なんだけど、その設定を通して、身近な出来事と社会の出来事、性と死、のコントラスト、ギャップの話をしている映画だと思った。
今年は自分の身の回りでも色々な事件があり、結果ニュースなどをあえてみないようにしていた時期もあって、でもそのことでなにかが手遅れになってしまいそうな焦燥感もあるという場面で、よくこの映画のことを思い出した。

6位「FEMME」

ヘイトクライムの標的にされたドラァグクィーンの主人公が、自分を襲った男への復讐を計画する物語。
加害者男性はホモソーシャルの中で自分がゲイであることが知られないよう、去勢を張っている。そして主人公はこの加害者男性と親密な関係を築きながら、復讐の機会を伺う。
ピアプレッシャーに苦しみ怯える加害者側の切実さもしっかり描いていて、でもだからといって罪が許されるわけではないという行き止まりの関係に息が詰まる。
何よりホモソーシャルの呪縛を、男性間の力関係の反転で描く作品というのは貴重だなと感じました。

5位「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦

めちゃくちゃ楽しかった。
自分の好きな、かつての香港映画の空気が詰まりまくっていてここにもっと浸っていたいという気持ちになりました。なんでこんなに「わかってる」映画が出来上がったんだろうな。すごかった。

4位「ウィキッド ふたりの魔女」

楽しかったな〜!
とにかくグリンダ&エルファバの2人が最高だったし、楽曲もよかったし(舞台ウィキッド未見なのでほぼ初めて聞いた)、見ててずっとウキウキしていた。2部作と知らずにみたので、ここで終わるの!?となりましたが長め幕間ということですよね。なによりもう1本見れるのが楽しみすぎる。

3位「教皇選挙」

人種、派閥、保守/リベラル、いろんな階層のいろんな問題を、それでも、という気概を感じた。
戦争の中、一刻を争う中でも話し合って順を追って決めなければならないことはあり、人にはより良い判断を模索することができる、という希望の話だとも思う。
サスペンス的な緊迫感が静かに張り詰めているような語り口もとてもよかった。

2位「罪人たち」

最高に面白かった。
黒人文化の物語としても、ホラーとしても、コミュニティの話としてもとても面白い。
気になったのが、吸血鬼側が最初に歌う歌。「Pick Poor Robin Clean」という曲みたいだけど、カントリー調だけど、いわゆる弱いものの象徴のような「コマドリ」が出てきたり絶妙に不穏な選曲。どうやらこの吸血鬼はアイリッシュ系という設定らしく、単なる「白人」側ではないというところもなるほどなと思った。
サミーの演奏シーンからさまざまな音楽と歴史が一堂に会するパーティシーンはほんとすばらしかったな。
タイミングがあわず、映画館で見れなかった(配信で見た)のが残念。

1位「ワン・バトル・アフター・アナザー」

映画館で観ながらずっと「楽しい〜~~~!」となっていた。テンポもよいし情けないディカプリオもよい。センセイのキャラクターもよかった。キャッチーなのに、こういう映画、とひとことで説明できない感じはPTAらしくてよい。原作は未読というかピンチョンは読んだことがないんですけど、来年こそは読んでみようと思います。


以上、2025年に好きだった映画ベスト10でした!
たぶん今年中にまだ映画館に行くと思いますが(アリ・アスター新作をみるつもり…)それは来年度の候補に入れます。良いお年を…!


昨年のベスト10はこちら
ichinics.hatenadiary.com

働くことの対価

コンスタントに日記を書くつもりでいたのに、あっという間に時間が経ってしまった。

相変わらず、週末1日は実家に行き、昼食と夕食を作る生活が続いている。
最近では、妹と甥っ子も同じ日に来るのが定番になり、昼ご飯は父と妹と甥っ子、あと家にいれば弟も一緒に食べるという感じになっている。

会うたびに語彙が増えていく甥っ子と頻繁に会えるのは嬉しいし、
1人暮らしだとどうしても、一旦作るとしばらくはそれを食べ続ける生活になるので、一気に作って一気になくなる料理をするのも(手間ではあるが)わりと楽しい。

実家の台所に立っていると思い出すのが、かつて「独り立ちするまでに100くらいはレシピを覚えないとね」と母に言われたことだ。高校生くらいの頃だったと思う。
「女なんだから」とかいうギョッとするような枕詞はなかったと思うけど、弟たちにはそんなことを言っていなかったので、要するにそういう意味ではあった。

あの頃の母は今の私より年下なのだけど、この料理の話だけでなく色々と、その時代の人特有の「近代的性別役割分業観」を内面化していたところが、あったんだなあ、と気づく。

思えば、母は私の仕事の話とかも聞きたがらない人で、そのことを少し不満に思ったりしたこともあったのだけど、
改めて、父親の「家事」に対する解像度の低さ(思えば掃除も洗濯もしているところを見たことがない)を目の当たりにしていると、母は、外で働いてきちんと対価を得るということを、本当はしたかった人なのじゃないかということを思う。

前にも書いたかもしれないが、母の遺産については、介護などで諸々お金がかかるため100%父が相続するということになり、現在粛々と作業を進めている。
ただ、いわゆる「専業主婦」として働いていた母の「財産」が、まるでなかったかのように父に吸収されることに、それでいいのだろうかという思いもあって、先日その話を妹にしたら、妹も考えていたことであったようで、少しホッとした。そして父はもちろん、これを理解しないだろうとも思う。

そういう諸々もあり、現在わたしたち兄弟が実家のために働いていることにも、ある程度の線引きは必要だと考えている。
父にとっての「誰かが(それは今まで母だった)いつの間にかやってくれている生活」は終了したのだ。

幸い父もできることは少なくないし、ある程度は外部委託をできるように準備を進めていきたい。
ただ、そういう諸々の手続きもタスクではあるので、なかなか進んではいないのだけど、年末年始でもう少し、なんとかしたいなと思っているところ。

今週末はいつメンと今年の映画ベスト発表会だし、その翌週はいつも本をおすすめしてくれる友人と今年読んでよかった本ベストの会をやる予定、なので、その2つについては今年中にここにも書きたいなと思います。
あと今年の目標どうなったも書きたいし、こないだ行ったアンテナショップ巡りの話も書きたい。まあ、おいおいやっていきます!