開くドア開けるドア

私はあまりたくさんのことに注意できない。だからいつもなくなったら困るものは3つくらいしか持ちたくない。家を出る時に確認するのは財布と携帯と鍵。海外にいくなら財布とパスポート。なにか心配なことが起こった時に、自分ができることを想像してみても、いつも二通りくらいしか思いつかない。
それは迷わないためになのか、単に頭の容量が少ないだけなのか、よくわかんないけどとりあえず、たくさんのことはできなくても、できることをしたいと思う。

土曜日は朝起きてまず洗濯機をまわし、お風呂に入ってお茶を飲み、ぐるっと回っていまごろ自分内ではやっている「一万年と二千年前から愛してる」を聞きながら洗濯物を干す。楽しい。「八千年過ぎた頃からもっと恋しくなった」と歌いながらちゃりんこのって駅に向かう。ということは、四千年くらいはもっと恋しい感じでいたわけだね、と、アクエリオンの内容なんにもしらないままで思う。四千年は長いな、と思いながら曲がり角を曲がる。焼き鳥のにおいがする。

なんかいろんなことをあきらめたなあ、ということを、ある人の日記を読みながら考えていた。あきらめた,というか、いつのまにか消えていた。
したいこと、気に留めておくことがなくなっていくと、楽になるのと同時に、どこに立ってるのかよくわからなくなる。そのうち家を出る時に何も、もたなくても平気になるんじゃないかって、考えるとしんとしたような気持ちになる。「ああ 彼はついに 全世界を 部屋にして そして そのドアを 開け放ったのだ」*1という言葉に憧れていたけれど、
いつも一番にあった願い事は、どこかに立つことだったような気もしている。もどってきたのか最初から同じとこにいたのかわからないけどずっと。

おめでとう。

*1:「ロストハウス」/大島弓子