「フミコの告白」

こないだ、ブクマ経由で「フミコの告白」という、自主制作の短編アニメーションを見ました。絵柄、特に街の風景がとても好みで、動きもすごいなあって興奮して、見終わってすぐに妹にもメールした。
こちらに映像リンクと詳しい作品解説があります。

http://d.hatena.ne.jp/./Tete/20091108/1257703155

で、私もこのアニメのことを、twitter に書いたりしたのだけど、
数日後に、アニメ評論家の氷川竜介さん経由で、細田守監督が、twitter でこの短編のことを書いているのを見て(http://twitter.com/hosodamamoru/status/5582478831)なんだか、ぐっときたというか、いろんな意味で、今はこのような広がり方をする時代なんだなーと思ったりしました。
ちょっと間があいてしまったけど、印象に残った出来事だったので日記にも書いときたくなった。
個人的に、イメージを「動かせる」ってだけですごいことだなあって思うのだけど、上にリンクした作品解説で、それが形になっていく過程を読めたのもまた面白かった。

 「空ちゃんの恋」/鈴木有布子

空ちゃんの恋 ─ お振るいあそばせ! (2) (ウィングス・コミックス)

空ちゃんの恋 ─ お振るいあそばせ! (2) (ウィングス・コミックス)

最近、新規開拓したくて読んだことない作家さんのを買ってみたりしてるのだけど、これもそのひとつ。
「お振るいあそばせ!」という作品の続編らしく、そちらで主人公だった(って書いてあった)さくらの友人、空が主人公のお話。この空がとても魅力的なキャラクターで、読んでて気持ちが良かったです。上田美和の漫画にこんな場面があったなーと思ったんだけど「ジーザス・クライスト!」だったか「G戦場のマリア」だったか思い出せず。ともかく気にいったので前の話も読んでみようと思ってます。
それから同時収録になっている「火花」という短編も面白かった。
人の記憶を自在に消すことができる、という青年と、その友人のお話なのだけど、短編ながら丁寧に伏線が張られていて、うまいなあと思った。エピローグはちょっと蛇足のような気もしたけど、これはこれで、世にも奇妙な物語とかになりそうだ。

 週末

金曜日は友だちと飲んだ。よく行く飲み屋に、プルピートスというイカをワタとにんにくとで煮たメニューがあって(スペイン料理らしい)、それそのものはもちろん、そのソースにフォカッチャをつけて食べるのが最近気に入っている。この日もそれを頼んで、友だちが「おいしい」と言うのを心待ちにしていたら、ひとくちで「おいしい!」が返ってきて嬉しくなった。おいしいものは気分が盛り上がるからいいよね、ベホマくらいはあるよね、でもラストエリクサー欲しいよね、でもきっと使えないよね、使ったら死亡フラグだよね、みたいな入り混じった話をする。今思うとわけがわからないけれどその場では意味が通ってたはず。たぶん。

土曜日は映画を見に新宿へ行った。チケットを買ってから、いくつかの店で冬物を見るも、欲しいと思うものはなくて、結局喫茶店に入って本を読んで映画を待つことにした。ノートパソコンを広げていた隣の席の人が、両手の人差し指だけで、すごい早さで文字を打っていて、ちょっと面白いなと思う。例えばそういう他愛もないことを報告するのに、ツイッターっていうのはとても都合が良いのだけど、でも話したいことは、もっと他にあるんだよな、と思う。

日曜日は友だちとコミティアに行った。駅に着いた時点でとてもおなかがすいていたので、ハンバーガーを買って外で食べることにした。いい天気で、気持ちの良い風が吹いていて、久しぶりに食べるハンバーガーもおいしいなと思った。コミティアでは、目当ての本も買えたし、前回買って気に入った人の新刊も出てたしであっさり満足する。会場を後にしたときはまだ明るいし何でもできると思ったのに、最寄り駅に着いたら真っ暗で、冬はすぐ暗くなるから嫌だよとか思いながら、自転車こいで帰った。薄着ででかけたけれど、日が落ちても寒くはなくて、そういえば今日はコートの人と半そでの人と、ノースリーブの人も見たなと思い出す。そして、こんな日はもう、今年最後かもしれないなと思った。

 母なる証明

監督:ポン・ジュノ

殺人事件の犯人として捕らえられてしまった息子の無実を証明しようとする母親の物語。
重力のある独特の画面と音楽がとても印象に残る作品でした。私は前作「グエムル 漢江の怪物」がとても好きなのですが、それとはまったくタイプの違う作品。監督の作品でいえば、「殺人の追憶」の方に印象が近いかと思います。
ただ、上記2作品は「好きな映画」なのに対して、この「物語」は「好き」とは言えないな…と思う作品でもありました。

映画を見ていて印象に残ったのは、時折差し挟まれる喜劇的な演出についてだった。その象徴的な場面が、立小便している息子の口に碗をあてがい薬を飲ませる場面だろう。息子が去ったあと、その小便に覆いをかぶせる、といった仕草が、この映画の行く末を示唆しているのだけど、個人的には、その喜劇的な視線こそが、この映画の奥行きであり、居心地の悪さでもあると感じた。
映画は、物語の中心となる、ある殺人事件を動力に、守るものがあることの強さと弱さ、さらに被害者であることと加害者であることの、境界線の曖昧さを行き来していたように思う。その揺れ方もまた、見ているこちら側の不安感を煽る。
特に、一見狂気ともとれるほどの息子に対する執着が、息子が思い出すある「記憶」によって示唆される瞬間にはぞっとした。
この場面、怪我で顔の半分がはれ、目つきがかわって見えることで、息子の顔にふたつの表情が同時にある。うまい演出だなあと思うとともに、映画の視線が物語の外側にある「再現」のような印象もあった。
そして、その「再現」の感触に触れるたび、この物語を嫌だなと思うのはなぜかと、問いかえされているような気分になった。
この映画の答え(のようなもの)に納得はできないけれど、だからと言って正解があるわけでもなく、そこにはただどんよりとした曖昧さがある。それについて考えるのは、なんだか床に落としてしまった豆腐を眺めているようで、途方に暮れる。

余談

  • 同じく「母親」を描いた作品として、見終わった後に思い浮かべたのが、青山真治監督の「サッドヴァケイション」だったのだけど、映画の終わり方も少し重なるところがあるのに、その「母親」像も、後味も、まったく異なっているのは面白いなと思う。
  • 韓国映画に出てくる警察は、ものすごく適当に見えることが多いけど実際はどうなんだろう。「これ鑑識まわす?」「いやいいっしょ」みたいな雑さは見ていて不安になるくらいだけど、軽快なやり取りは楽しくて好きです。
  • あと映画を見終わったあと、息子役の俳優のファンらしき女性たちが、もったいないとか*1母さんと寝てるシーンで手が触れてるのがどうのとか言ってて、映画の余韻がちょっと吹っ飛んだ。

*1:たぶん「かっこいい」役ではないからかな。個人的にはとてもいいキャスティングだと思った。

 筋肉少女帯@C.C.Lemon ホール 09/11/8

「どこへでも行ける切手 初期アルバム 1st〜8th曲限定ライブSP」に、ありがたいことに誘ってもらって行ってきました。やったー。
会場のせいなのかPAの調子なのか、音がこもってたり高音ばかり響く気がして少し聴きにくかったのは残念だけど、筋少見るの久しぶり(とはいえ3回目ですが)だったし、はじめてライブで聴けた曲がたくさんあって楽しかったです。
今回は特に、長年のファンの人ばかりな雰囲気で、少し気圧されたところもありましたが、そんでもやる曲だいたいわかるものだなーと思ってなんだか嬉しかった。

「初期アルバム 1st〜8th曲限定ライブSP」ということで、序盤は背景に大きな8枚のアルバムジャケットが並んだセット。その中から、演奏中の曲の収録アルバムにスポットがあたるっていう演出がよかったです。あと1曲ごとに思い出話をしてたのも面白かったなー。山中湖合宿の話とかすごく楽しそうだった。合宿したい。
MCでは、こないだの糸色望少女達とのライブの話もでて、やっぱホームがいいですよって話してたのも印象的でした。個人的にも、絶望の曲は大好きだけど、やっぱり別物というか、筋少だよなあとか思ったりした。まあ比べる必要もないんだけどね。
ライブでやって特に嬉しかったのは「スラッシュ禅問答」とか「詩人オウムの世界」かな。あと「マタンゴ」。速い曲ばっかりだ。
でも特に好きでライブで聴いてみたいなあってパッと思いつく曲は、わりとこの後のアルバムに入ってるのが多いので、この後のアルバムの限定ライブとかもあったらいいのになあーと思いました。

それにしても、筋肉少女帯を聴いてるとほんと驚くことが多いというか、あっちからとこっちからでうわああって思うことがたくさんあります。だいたいライブ行きたくなるけど、たまに布団に飛び込みたくなる感じ。ちょっと違う。