「高梨さん 近所へ行く」/太田基之

高梨さん 近所へ行く (IKKI COMIX)

高梨さん 近所へ行く (IKKI COMIX)

なんとなく買ってしばらく積んでたのですが、いざ読んでみたらすごく面白かった!
“高い低いの「高」に果物の「梨」、悦子の「悦」は 悦楽の「悦」” こと、高梨悦子さんというおばちゃんが近所をうろうろして、本人の意図しないところでなんとなく人の役にたっていたりするお話です。
この高梨さんがすごく自由なおばちゃんで、たとえばご近所さんの家に遊びに行き、そこの家のこたつで眠っちゃってたり、間違えて訪れた人の家でなぜか食事を用意してあげてたり、けして運動が得意なわけでもないのに地元の野球チームの助っ人にかりだされたり、どんな場面でもマイペースなんです。それでいて、基本的に親切で憎めないというか、1冊読み終わる頃には、むしろすごく好きになってしまうような気がする。
のんびり笑いながら読める漫画でした。シリーズでこれより前に「高梨さん」というのもあるみたいなのでそれも読みたいな。

 全ての言葉はさよなら

ふと思いついてバレンタインという言葉を自分の日記で検索してみたら、すでにまったく覚えてない話もちらほらあった。たぶん、この日記を書き始めて、3年めくらいまでは自分の書いたことをほぼ全て、覚えていたような気がするし、今も3年前くらいまでなら覚えてるので、私の記憶の賞味期限は約3年なのかもしれない。■3年以上経っても鮮明なことというのは、きっと繰り返し思い出して上書きされているからで、それはなんていうか、シナリオやBGMを選んだりすることに似ている。つまり、もっと別のことを思い出してもいいのに、それを選んで忘れないように、自分で持ってきたということだ。ただ、年とともに記憶の在庫が増えていく反面、持ち歩ける量は常に限られているため、たまに在庫整理をすると、中には、持ってきたつもりでもいつのまにか忘れていた賞味期限切れの思い出もあることに気づいたりする。■賞味期限切れといえば最近、いつだったか実家からもらった缶詰を見たら、ぜんぶ賞味期限切れになってたことがかなりショックだった。ふだん缶詰食品を食べることがほとんどないので缶詰に賞味期限というのがあることを忘れていた。というか永遠に食べられるのかと思っていた。今手元にある缶詰は賞味期限がちょうど一年前くらいなんですけど、仮に生産されたのがその3年前だとして、3年間、食べられる状態でそこにあったものを放置して食べられない状態にしてしまったと考えるととても申し訳ない感じがする。■そんなわけで、今後は缶詰の賞味期限にも注意して生きていきたい。あと早くあったかくなってほしいです。■なんて書いている今の気分も、きっと3年後にはおぼろげになっているのだと思う。