酒と会話

久々に友達がやってる飲み屋に行って飲む。その店でしか会わない、電話番号も知らない、でも飲んでる間は笑いが絶えない、みたいな間柄の人と久々に会って思ったのは、飲みの席での世間話というのは、とにかく混沌としていて、一つの話題を掘り下げるんじゃなくていろんな話の間を縫って滑っていって何も見えないみたいな雰囲気というか、聞こえてないくせに相づちをうってしまっても別に困らないようなところがあって、それはそれでいいのかもしれないんだけど、いざ話を掘り下げようとするとそれが実は難しい、ってことだった。潜っても届かないプールの底のように遠く、目を凝らしても針に入らず、糸口も見失ってうやむや、で、まあいいかって。
雰囲気に乗っかって会話するのも楽しいし、そんな中で「わっ」と思うような言葉に出会うこともあるのだけど、同じ事柄を見ながら、同じ事柄を見てるって感じながら、話をする機会って、実は作ろうと思って作れるものではないのかもなと思う。いや、酒が入ってるからいけないのかもしれないけど、酒が入ってるからこそ話したいことってのも、あるじゃないですか。あるんでしょうか。あるかもしれないじゃないですか。なんてだんだん自信がなくなってきたけど、そんな会話ばかりしてた頃も、あったような気がするんだけどな。