[1] 「喫茶店でコーヒーを頼んだら紅茶が出てきたので替えてもらった」というあらすじの、小説風の単文を書いてください。
そして
[2] どのような細かいテクニックを使っているのか、1行ずつのレベルで解説してください。
みなさんはどんな点に気をつけて小説風の文章を書いているのか、聞きたいのです。
長さや描写の細かさは、普段の自分通りのスタイルでOKです。
またテクニックの説明に必要なのでしたら、話の筋をかえたり、延長してもかまいません。
例はコメント欄に示します。よろしくお願いいたします。
【小説の書き方を教えてください】 [1] 「喫茶店でコーヒーを頼… - 人力検索はてな
はてブで知った人力質問。回答者みんなすごいけど、特に8番目のkab_studioさん、9番目のhonehonerockさんのがおもしろい!と思った。
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「ブログ文章術」、とかのときもそうだったけどこういうお題がでて何か書く、というのがとても好きなので…好きなので私も書いてみました…。
解説書きながら読み返したらうんざりしたけど、普段からエモ恥ずかしい文章書いてるからだいじょうぶ(じゃない)。
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【なので畳みます】
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喫茶店にいった。コーヒー頼んだのに紅茶が出てきた。の回答
次の列車まで、まだ、あと30分もある。*1
彼女はあたりを見回した。この広い駅構内でなら、喫茶店のひとつくらいすぐ見つかるだろう。そう思って歩き出す。どこか……少しの間でいい。腰掛けるスペースがあって、暖かいものが飲めれば。*2
◆
「コーヒーを」*3
煙草に火を点けながら、キッチンへと去る女性の背中を見送る。視線を滑らせて、レジカウンターの奥にかかっている、時代遅れの時計を見る。5分も前に出れば大丈夫だろう。時計の真下にはカレンダーがある。日付が見えないほどに、大きな電車の写真。*4
彼女は指先でそっと、ソファを包む柔らかなビロードを撫でた。*5決して趣味が良い店だとはいえないけれど、彼女はこの店が気に入った。*6
窓の外に視線を向ける。一日に数万人が行き来するというこの巨大な駅の中に、こんなふうに、外の喧噪と切り離された空間があるなんて。*7
キッチンから笑い声が漏れ、トレイを片手にウェイトレスが現れた。白いエプロンがかわいらしい。*8
「お待たせしました」
火をもみ消しながら軽く会釈を返し、カップを手に取る。*9
ふと、彼女の顔に戸惑いが浮かんだ。鼻先をかすめる花の香り。透き通った紅色には、彼女の顔が映っている。*10
キッチンから再び笑い声が漏れる。カップをソーサーに戻し、もう一度煙草に火を点ける。《すみません、コーヒーを頼んだんですけど》そう間違いを指摘したら、あの娘はどう思うかしら?*11
◆
私がこの町にきて、最初の仕事もウェイトレスだった、と彼女は思う。*12
制服がかわいくて選んだ店だった。仕事はヒマだったし、店長は変わり者だったけど、*13私はあの店が好きだった。
そしてあの女性。―― あの人は、いつも窓の外を見ていた。化粧っ気のない疲れきった顔とは裏腹に、丁寧に手入れされた指先は観葉植物を思わせる無機質さで、差し出したメニューを見もせずに言うのだった。「コーヒーを」*14
私はあの人のことを、おそろしいと思っていた。ひどく疲れて、なにかと戦っているようで。*15
そういえば、と彼女は自分の爪を見る。あの店からも、大きな駅が見えた。
顔をあげると、彼女を見ていたのか、ウェイトレスと目が合った。*16私も、あの娘にとっては、あの人みたいに見えるのかしら? *17
あと5分。*18
間に合うつもりがあるなら、今店を出なくちゃ間に合わない。―― でも。
彼女は不思議と、それもいいじゃないかと思う。*19
「すみません」*20
私はコーヒーが飲みたい。そしてあの人も ―― どこかでこうして、コーヒーを飲んでいる。きっと。
コーヒーを飲む。そして私は家に帰る。電車に乗らず、もう一度この町で。*21
だいじょうぶ。誰かがそう、言っているような気がした。*22
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あーあー。
補足。
まず改行すると一行空くのは仕様です。なので特に意味はないです。最初に、コーヒー/紅茶、の取り違えを何に使うか、というとこから考えて、今読んでる「めぐりあう時間たち」みたいに、クロスするハナシにしようと思いました。で、過去未来現在にしようと思い、主人公は女でー待ち合わせ場所に早く着いてーというのを思いついたんですが、最終的には「木綿のハンカチーフ」的ななにかにになりました。ついでに翻訳小説っぽい文にしたい、と思ったのにそれはうまくいかなかったので無かったことにします。つか翻訳小説っぽい文てどんなんでしょうね…。
*1:まず本題から入る。時間を入れたことによって、緊迫感みたいなものが出れば良いなと思った
*2:ここまでが「起」
*3:シーンが切り替わったところは会話から入るというのがらくちん
*4:カメラが店内をぐるっと見回す感じと、ウェイトレスをロックオン。あと仕掛け?の時間意識。
*5:次の行と過去の店両方に対する好意のようなものの暗喩っつーか
*6:上に同じ
*7:カメラ的視点と、この「都会」に対する愛憎入り交じる感じをほんのり
*8:見えないところからの笑い声でちょっと抵抗感、かわいらしい、という台詞でウェイトレスとの年齢差を強調?
*9:大人の余裕か?
*10:紅茶だってどう気づくかが難しいなと思った。ここでは、鏡の役割につかって、内面/回想入る伏線へ
*11:笑い声再びで、間違いの指摘しづらさを強調、それから主人公の性格
*12:回想スタート
*13:制服がかわいくて、でいまこの店のウェイトレスと自分を重ねていることがわかる…かなぁ?
*14:第三の女登場。そして冒頭の主人公の注文と重ねる
*15:というのがそのまんま今の自分へ
*16:ここでかつての自分と「あの人」との構図と重ねる
*17:自意識
*18:決断を促す
*19:何が?とかいわない
*20:ためらっていたのに、声をだした、何かを決断した、というニュアンス
*21:彼女がなぜ駅にいるのか、という理由を最後に持ってくることでオチをつける
*22:こういうまとめ方、ヤーネーと思うんですけどね。