Twitterなどでの評判を読んで見に行った映画。主演のでハーンさんの目がとても印象に残っている映画です。
鬱屈とした日々を送っている主人公が手に入れたカメラで自分を写すところから始まる物語。人付き合いが苦手な主人公と、いろいろと手を焼いてくれている従兄と優等生の3人が、ある事件をきっかけに超能力を手に入れる。
しばらくは手に入れた能力を開発することに夢中になり、主人公はほとんど初めて手に入れた「友情」に幸せを感じているように見える。
しかし能力の使い方で、彼らは互いの価値観がすれ違う辺りから物語は不穏な空気をまとい初め、そこから結末に向かうまで、物語はだれることなく一気に展開する。
とてもコンパクトな作品ながら、隅々に見所がある青春映画であり、アクション映画でした。
超能力描写とか青春映画らしいコンプレックスとの戦いなど、とても好きな要素はたくさんある映画だった。特に超能力描写に関しては、様々なところで言われているとは思いますが「AKIRA」を彷彿とさせるところがあり、こんなのが実写で見れるなんて!ってすごく興奮しました。
物語の核となるハンドカメラの使い方もすごくよかった。あのカメラは彼のバリアというか、他人に踏み入れられたくない領域というか、ATフィールドみたいなものだと思うんですよね。
超能力を手に入れても、自分を撮り続けることをやめない彼のこだわりは、映画を見ている観客の視点に預けている何かがあるってことなのかな、と思って見ていました。
だからラストのセリフはちょっと腑に落ちないところがあったのですが、個人的には観客の中に彼を見続ける視線を残す、という意味なのかもしれないなと感じています。