- 出版社/メーカー: ロッキング・オン
- 発売日: 2006/11/18
- メディア: 雑誌
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「アニメは以前より大衆化された」といっていいはずなのだが、実際にはそれほどの構造変化が生まれたわけではなく、むしろ一部の先鋭化するアニメと世間一般との距離はさらなる広がりを見せている。
つまりアニメは、一方では身近になり、一方では実に遠い存在になっているのだ。
(略)
CUTはこの機会に日本のアニメ映画を総括する。そして日本のアニメ映画ベスト30を選出した。とはいっても、当然アニメの専門家たちとはまったく違うアプローチになっていて、このランキングはいまぼくたち映画オタクの目線から観て、おもしろいと思える作品に焦点を絞った素直な結果である。
という趣旨の特集だそうです。そんなに遠いか…?
ベスト30のラインナップはこんな感じ。
- 『風の谷のナウシカ』
- 『機動戦士ガンダム3部作』
- 『新世紀エヴァンゲリオン 劇場版』
- 『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』
- 『天空の城ラピュタ』
- 『AKIRA』
- 『ルパン三世 カリオストロの城』
- 『宇宙戦艦ヤマト 劇場版』
- 『もののけ姫』
- 『となりのトトロ』
- 『千と千尋の神隠し』
- 『火垂るの墓』
- 『ハウルの動く城』
- 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』
- 『銀河鉄道999』
- 『紅の豚』
- 『魔女の宅急便』
- 『機動警察パトレイバー 劇場版』
- 『クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ! オトナ帝国の逆襲』
- 『時をかける少女』
- 『人狼 JIN-ROH』
- 『王立宇宙軍 オネアミスの翼』
- 『PERFECT BLUE』
- 『マインド・ゲーム』
- 『銀河鉄道の夜』
- 『超時空要塞マクロス 愛、おぼえていますか』
- 『あしたのジョー』
- 『MEMORIES』
- 『鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』
- 『鉄コン筋クリート』
ラインナップは普通。「映画」に限ってるから選びにくいんだろうとは思うけど、宮崎駿と押井守が多すぎる(仕方ないにしても)し、無理矢理なのも多い。『ハウル』を入れるんだったら、せめて『東京ゴッドファーザーズ』とか(今さんは「パーフェクトブルー」が入ってるしあれもいいけど)『パルムの樹』とか…ドラえもん何かとか。あってもよかったんじゃないかと思いました。それから、発売時点ではまだ公開されてない『鉄コン』を入れてるってのもちょっとひっかかる(じゃあパプリカはどうなのって感じだし)。
それでも、確かにこれは、特にアニメ好きの人でなくても楽しめるスタンダードなラインナップだとは思う。
「あれ入ってないじゃん」と思うのはたいていOVAだったりTVシリーズしか見てなかったりTVシリーズありき、の作品だったりする。そもそも「日本のアニメ映画」自体、それほど多くは作られていないんだよな。そうい意味ではまだ「全部見る」ことが可能なジャンルであり、同時にアニメ制作の主な舞台は映画ではない(とりあえず、いまのところ)ということなのかもしれない。
それから、今足りないのは、むしろこのCUTランキングと、CUTのいう「一部の先鋭化するアニメ一般」との間を埋めるようなガイドなんじゃないかと思う。埋める必要はないかもだけど、私はその辺が知りたいなー。